0本目の灯火 ページ1
Aside
「貴方は、30本、30本の、灯火病です」
医者は、ゆっくり、そしてはっきりと私に伝えた。
横に座っていた母は泣き崩れ、私は『灯火病』の意味も知らず、ただ慰めるしかなかった。
『…30本の灯火病ってなんなんですか』
「…30本は、イコール、30日、ということです。
灯火病とは、30本が一日一日と、一本ずつ減っていきます
そして、残りの一本が消えたら、何の知らせもなく死んでしまう、そんな病気です。
他、50本、または切れの悪い、34本、灯火は人によってそれぞれです」
お医者さんは、分かりやすく、丁寧に教えてくれた。
30本…、
『…ということは…』
「…はい、貴方の残りの寿命は、30日です、
まだ年齢が14歳。助け切れなくて、すみません…っ」
『………いいえ、』
30本…突然過ぎて目眩がする。
私は体が弱いから、いつもの定期検診で、病院に来ただけなのに…。
まさかの寿命宣告。
まだ、やり残していることがやまやまだ。
『…お母さん、帰ろ…』
そういうと、お母さんはやっとの思いで立ちあがり、私を抱きしめた。
「ごめんね…っ、ごめん…、助けられなくて、ごめんね…」
『…いいよ…、それに30日経つまではなにも起こらないらしいしね』
お母さんは、まだ現実を受け止めきれないのか、また泣き崩れた。
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しゅあ。(プロフ) - にゃごさんのお話全部ギャグ要素忘れなくてめっちゃ面白いです! (2022年11月17日 8時) (レス) @page4 id: 1a1d4d0288 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - 早速切ない感じがしますね…更新が楽しみです! (2022年11月16日 16時) (レス) @page3 id: 7e0195fc29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃご。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ef43d159165/
作成日時:2022年11月16日 7時