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Ｏside
主(主催者)｢それで？日程だけど、君の作品はいつ出来るんだ？｣
Ｏ｢……あの、俺の話、聞いてもらっていいですか？｣
主｢なんだよ、もう。時間が無いんだ、手短に話せよ。｣
Ｏ｢はい、もうまとまっているので。｣
主｢で、なんなんだ？｣
Ｏ｢…下ります。この仕事。この個展。｣
主｢な、何言ってるんだ？お前。｣
Ｏ｢まだ、間に合いますよね。
…もう嫌なんです。いろんな愚痴を言われながら作品作るの。こんな作品、ファンの子たちに見せられません。
知ってるんです。この個展、手抜かれていること。｣
主｢自分で何言ってるか分かってるのか？｣
Ｏ｢はい。
全然、話進めてくれないですし、自由に作らせてくれないですし、もううんざりなんです。
今まで、少しの協力、ありがとうございました。
もう、一切頼まないので、安心してください。
ではっ、｣
主｢ちょ、待てって。悪かったよ、智くん。
その、なんだ？この嵐のね、この作品。いいと思うよ。
やろうよ、一緒に。｣
Ｏ｢…俺の気持ちは変わりませんよ？もう決めたことなのでね。｣
主｢はぁ、…いい加減にしろよ？こっちがせっかくいい顔して止めてあげたのに。勿体ない。
どうせ、事務所でぬくぬくと育ったんだろ？
苦労もせずにまぁ、よくやってるよな。｣
Ｏ｢確かに、嵐という踏み台は使わせてもらっています。嵐があるからドラマだって映画だって出させてもらってます。
でも、そこからどう伸びるかは俺次第なんです。｣
主｢いいから、俺の言うことを聞いておけばよかったんだよ！｣
バシッ
Ｏ｢うっ…。殴らない方がいいですよ？｣
主｢あ？うるせぇ。気が済むまでやらせてもらうよ。｣
ボコッ ドスッ バシッ
Ｏ｢うっ…だから、あなたのことを思って…｣
バシッ
貧血の頭がクラクラする。
主｢うるせーな！何が俺の事を思ってだ。
だいたい、いいよな、嵐ってだけで個展開けるんだから。｣
バコッ バシッ バシッ
主｢俺だってな、名前が売れれば個展だって開けたんだよ！｣
Ｏ｢あなたも、ﾊｧﾊｧ…絵を描くんですか？｣
主｢ああ、描くよ。描いてたよ。でももう辞めた。
こんな無名のやつが、何描いたって流されるだけなんだよ。なのに、お前は、個展を出すといえば何万もの人が見に来て…ずりーよな。ほんと。｣
Ｏ｢…少なくとも｣
主｢あ？｣
Ｏ｢少なくとも、あなたの絵を素敵だと思う人は1人くらいいるんじゃないんですか？｣
一瞬、殴る手が止まった。
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作者名：大宮ゆり | 作成日時：2019年3月28日 22時
