転科☆ ページ2
｢こんにちわ〜、そしてさよーなグヘッ｣
｢帰ろうとしないで下さい、崎原さん｣
＜崎原さん＞と呼ばれた少女は、笑顔で眼鏡をかけた教師とその後ろで、殺気に近いものを放っている面々を見る。
｢アキちゃん、私ここ居る必要ないと思うんだケド｣
少女はジト目で眼鏡をかけた教師を見た後、首を触る。
｢何ですか？｣
｢いえ何も｣
余程怖かったのだろう、即答して自己紹介を始める少女。
｢演劇科から(無理矢理連れて)
とその時、少女、崎原に向かって消ゴムが飛ぶ。
｢痛っっく無い｣
おでこに当たったそれは、地面に落ちる。
｢大神君｣
眼鏡をかけた教師、椚彰臣は消ゴムを投げた大神晃牙を睨む。
｢んーー、十点！｣
空気が(より一層)悪くなって居るなか、大神に向かって、笑顔でそう言う崎原。
｢あﾞ？｣
｢暴力も良いけど、何より言葉が欲しいな！ さぁ、私をその殺気と共に汚く罵ってくれ！｣
一瞬にして、空気が凍りつく。
皆“こいつ何言ってんの？”状態である。
｢全く、貴女って人は...｣
溜め息一つの後、崎原に席を促し、座らせる椚。
なんの因果か、隣の席は大神である。
｢よろしくね！ 暴力君！｣
｢誰が“暴力君”だ！ 俺様は孤高の狼なんだよ！｣
つい何時ものノリでそう返す大神に、崎原は
｢失敬失敬、狼君。今度は言葉で罵ってくれよ！｣
と、笑顔で返した。
少女を見る視線は、悪意と増悪と殺気にまみれて、どす黒く、このアイドル科を蝕んでいる。
少女は一体どんな運命を辿るのか。
結末はTRUEENDなのか、HAPPYENDなのか、はたまたBADENDなのか……
それは誰にも、分からない…………？
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作者名：柑橘 | 作成日時：2017年7月4日 21時
