理由1 ページ2
*
「…あれほど寝ているハルヤ様に近付くなと言ったのに、お前も懲りない奴だな。」
朝から洞潔さんに拳骨を喰らう私は一度も役に立ったことのないあの方の従者である。
これでも一応妖怪だ。
「だって尊いじゃ無いですか!あの整った顔!スラリとした足!細くて華奢な指!青く透き通った目!高く延びた鼻!低くもなく高くもなく丁度良いぐらいの声!規則正しく吸って吐かれるあの酸素と二酸化炭素も…」
そう言い終わらない内に上から飛んでくるのは洞潔さんのチョップ。
「うぎゃっ!」
「今、ハルヤ様はかの少女をお探しになっている。
部下である我々がしっかりせねばならぬ時期だと分かっている筈だろう?」
「でも尊いものは尊いじゃないですか!あと話を途中で切らないで下さい、せっかく私がハルヤ様への愛について語っていると言うのに…」
「なっ…そんなお前が語り始めた愛のせいで話の腰を折られそうになったのは此方なのだが…」
「男の洞潔さんには分からないんですよ!ハルヤ様がお持ちになっている沢山の魅力はぁ!
私はハルヤ様さえ居れば他に何もいりませぬ…!」
「…じゃあ朝飯抜きでも大丈夫?」
「もちのろ…ってうぇええい!?」
おo松さんで一度見たようなポーズでその場に飛び上がる
そんな私に向けて、仕様がなさそうにクスッと笑みを溢すハルヤ様…
おぉ…尊い…
あれ…?え?朝食抜き?
「って…朝食抜きは流石に手厳しいですよハルヤ様〜!せめて!せめて水抜きで!」
スタイリッシュ土下座。
そして『死ぬぞ!?』と言う洞潔さんの突っ込み
人間から見たらあり得ないようなやり取りをする朝。
これが私の日常です。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←プロローグ
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:人生の縮図 | 作成日時:2018年10月14日 0時