踊る阿呆 ページ35
午後の退屈な授業を終えて、独りで帰ろうとすると、殺せんせーに呼び止められた。
「AさんAさん。待って下さい」
よもや補習か何かかと思い体を硬くするが、そんな用事ではなかった。
『如何したの殺せんせー』
「いやね?教師として君に、重要な質問があるんですよ・・・」
そして殺せんせーは何故かキョロキョロと辺りを見回してから、周囲に人が居ないのを確認する。
そして重々しく口を開き。
「Aさん、貴女・・・好きな人、居ます?」
『左様なら殺せんせー!』
私は爽やかに微笑み足早に其の場を去ろうとする。付き合ってられるか糞が。
然し当然マッハ20で回り込まれる。無駄にスペック遣うなおま。
「待って下さいよAさん!教師として生徒の恋愛事情を把握して置くのは義務です。そう思いませんか?」
『五月蝿い下衆タコ・・・』
本当に何でこんなんが私の担任なのか。謎だ。
私が一寸真剣に悩みの種を増やして居ると、殺せんせーは真面目ぶって云った。
「気になる人居ないんですか?貴女の幼馴染みさんとかと、最近仲良くしてますか?」
ニヤニヤと笑う担任の白々しさに、普段の私なら気づいたかも知れない。
けれど此の時の私は、凡百悩みで精神が押し潰されんとして居たので、其れに気づく事は無かった。
『・・・殺せんせー。私、彼の弁当がもう食べられないかも知れない・・・』
思ったよりも余程、気弱な言葉が口から出た。「ほう、なぜです?」と殺せんせーが呑気に云う。
『嫌われた、んです。カルマ君と色々あって、其のせいで嫌われた。兄妹みたいで大好きな関係だったのに、其れは私だけだったのかな、先生?』
もっと一杯、楽しくお話したかった、と、今更思った。
「そうですね・・・少なくとも、『兄妹の様に』思って居るのは、貴女だけかも知れませんね?本人に聞いてみない事には判りませんが」
其の冷たい様な言葉とは裏腹に、悪戯っ子の様な表情をした殺せんせーの事を、何故かよく覚えて居る。
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☆天香☆ - ちゆき♪☆さん» 確認しましたが、確かに「ベイビー」でした!ボカロ好き故にドヤ顔で使ったのですが、間違えていたと知りお恥ずかしいです・・・修正させて頂きました、申し訳ありません!ご指摘ありがとうございました! (2019年12月1日 20時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
ちゆき♪☆ - 18ページのロキの歌詞、ベイベーではなくベイビーでは?間違っていたらすいません。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 61c2bf0dba (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 梓季さん» 俺自身もあそこは非常に楽しく書かせて頂いたところですww同じく楽しんで下さった方がいて嬉しいです!学校始まったので頻度落ちると思いますが更新頑張ります! (2019年8月29日 19時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
梓季(プロフ) - 中也もカルマも大好きなので2人が喧嘩してるのが想像出来すぎてニヤニヤしてしまいます( ̄∇ ̄)これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年8月28日 20時) (レス) id: ae84a91129 (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 西園寺氷空音さん» か、感激です・・・!本当に嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張りますね! (2019年8月23日 13時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時:2019年8月1日 14時