【文スト×暗殺教室】転校生はマフィアの潜入捜査官でした。

番外編(?)、職員室にて ページ30

烏間side


3年E組には、現在「奴」と俺、イリーナ・イェラビッチ以外に、もう一人職員が居る。



そして現在その職員は、物凄く不機嫌そうに不貞腐れて居る。原因?・・・勿論俺は知る由もない。



「中原さん、荒れてますねえ。ヌルフフフフ・・・」



「うっせ、タコ！蹴り殺すぞ！」



「それが出来たら、の話でしょう?」



今「奴」と会話している・・・と言うより「奴」を一方的に罵る青年が、もう一人の職員、中原中也だ。



転校生の風間Aさんの幼馴染であり、仕事が見つかるまでここで事務員として働いている。



・・・という話を、風間さんから説明されたのだが、俺はどうも怪しいと睨んで居た。



まず、中原青年の体からは、仕事で会った何人かの殺し屋たちとよく似た匂いがするのだ。



普通に生きていれば染み着く筈のない特殊な匂い。・・・やはり、何処かからの潜入捜査官なのだろうか・・・




「で、中原さん、何があったんです?好きな娘にフラれたとかだったら、お話は幾らでも聞きますがね・・・」



「・・・莫迦云え！違えよ此のタコ！」



「奴」の煽りに、中原青年は鼻の頭に噛みつきそうな勢いで反論する。まあ、「奴」に鼻は無いが。



「ね〜え、ナカハラ。前から思ってたんだけど、貴方ってボギャブラリー少なすぎよ?」



イリーナまで面白そうに食い付いて来た。俺は絡まれるのも面倒だから、見て居るだけだが。


「て、手前も五月蝿え！ビッチのくせによ！」



「はあ！?私はビッチじゃないわよ！」



「子供だ・・・」


二人のやり取りを見ながら、俺は思わずそう零す。仮にも成人して居る男女のやり取りとは思えん。



「ヌルフフフフ、烏間先生も一緒に聞きましょうよ〜、中原さんの恋話！」



「俺は興味ない」



事実だった。他人の色恋沙汰など興味も湧かない。



「おい待てよ！俺は未だ恋話だなんて一言も云ってねえだろ！」



「えー、でもどうせ恋話でしょ?それもかなりベタな」



イリーナが笑顔で辛辣な言葉を吐けば、



「人の恋路に勝手にケチ付けんじゃねえよ、俺は真剣に悩んでんだよ！」



いとも容易く、中原青年はイリーナの策略に引っ掛かって怒鳴った。



「・・・あ・・・」



後から自分の失態に気付いた中原青年が呟くと、



「自分から吐きましたね・・・」



と、「奴」が実にゲスい笑みを浮かべて居た。

意外と長くなっちまった番外編:つづき→←ビッチ先生を恨む話

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