意外と長くなっちまった番外編:つづき ページ31
「それでそれで?相手は誰なんです!?」
「奴」は、物凄くワクワクした表情で、何故かお下げ髪の女学生の格好などして居る。器用な奴め・・・
「ナカハラの事だし、ベタな少女漫画みたいな感じじゃないの?ほら例えば、なんか急に幼馴染み意識しちゃってどうしよう〜みたいな」
イリーナが、「奴」とは対照的に興味の欠片も無さそうな表情で言った。弄られるだけ弄られてこの扱いではさすがに気の毒なので、俺は不本意ながら横から口を出す。
「イリーナ、中原君だってテンプレート通りの単細胞でも無いだろう、首を突っ込んでおいてそんな雑な____」
俺はそう言いながら中原青年の顔を何気なく見て、そして驚いた。
と、言うのも、中原青年が顔を真っ赤にして俯いて居たからだ。
「・・・な、何?まさかだけど、ナカハラ・・・図星なの?」
イリーナが面食らったように中原青年を見ている。すると彼は、“ボッ”という音が聞こえそうな勢いで余計に顔を真っ赤に染めた。
「ううう、うるせえ!わ、悪かったなテンプレート通りの単細胞でよ!」
中原青年は、叫びながら椅子から立ち上がった。心なしか涙目でこちらを睨んで居る様に見えるのだが・・・?
「え〜、いいじゃないですか〜。そういう王道も好きですよ私」
「人が真剣に悩んでんのを面白がるな糞ダコ!」
中原青年は、ニヤニヤと笑う「奴」に向かい全力でパンチを放つ。しかし当然避けられ空振りする。
「糞・・・何なんだよ本当・・・」
彼は憮然として椅子に座り直した。あまりに扱いが酷すぎて気の毒になってくる。
「で?何で好きになっちゃったのよ、Aの事」
イリーナが、少しだけ真剣になった表情で中原青年に問う。
すると、中原青年は何故かここに来て少しモジモジしてから、躊躇いがちに口を開いた。
「一寸前迄は、意識もしてなかった・・・のに、此の前彼奴をバイクの後ろに乗っけた時・・・こう、腰の後ろをぎゅって掴まれて・・・なんか、ああ此奴女だったなって思ってそれで何つーか・・・ああ、もう善いだろ俺の事は!」
羞恥で赤くなった彼の顔を見た「奴」は、面白い物を見つけた、とでも言うようにニヤリと笑った。
「ならば中原さんの恋心、私が叶えて差し上げましょう」
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☆天香☆ - ちゆき♪☆さん» 確認しましたが、確かに「ベイビー」でした!ボカロ好き故にドヤ顔で使ったのですが、間違えていたと知りお恥ずかしいです・・・修正させて頂きました、申し訳ありません!ご指摘ありがとうございました! (2019年12月1日 20時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
ちゆき♪☆ - 18ページのロキの歌詞、ベイベーではなくベイビーでは?間違っていたらすいません。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 61c2bf0dba (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 梓季さん» 俺自身もあそこは非常に楽しく書かせて頂いたところですww同じく楽しんで下さった方がいて嬉しいです!学校始まったので頻度落ちると思いますが更新頑張ります! (2019年8月29日 19時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
梓季(プロフ) - 中也もカルマも大好きなので2人が喧嘩してるのが想像出来すぎてニヤニヤしてしまいます( ̄∇ ̄)これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年8月28日 20時) (レス) id: ae84a91129 (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 西園寺氷空音さん» か、感激です・・・!本当に嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張りますね! (2019年8月23日 13時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時:2019年8月1日 14時