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「A!Aっ!」
チャニに手を握られて、心配そうに背中をさすられる。
大丈夫、落ち着け。
吸って、吐いて。
自己暗示をかけていくうちに、だんだんと症状が治まってきた。
こうなる時のシミュレーションは何回もした。それがここで、役に立つとは。
「...A、大丈夫?」
「うん、もう治まった。ありがとう...チャニがいてくれなかったら、私...」
咄嗟にバーノンさんとスングァンさんを押しのけてくれた彼のおかげで、私は直ぐに息を整えることが出来た。
「...A、」
目の前のチャニはやっぱり優しくて、私を見て自分の痛みのように顔を歪めた。
「...A、お願いだから僕に頼って」
「チャニ、?」
「抱え込んでるんでしょ。ねぇ、」
僕達なんのための友達?って、チャニは笑うんだ。
「...ステージに立ちたいのに、」
どうしてだろう、誰にも言うつもりはなかったのに。
「立てるか分からないの。ずっとこのまま苦しんで、ステージに戻れなくなるのが怖い」
私はステージに立つことが好きだ。
お客さんの前で、歌って踊って、気持ちを届けるのが好きだ。
必要とされるのが好き。
こんな自分も、ステージに立つ時だけは認められてるような気がするんだ。
諦めたくなかった。
デマが流れようとも。綺麗じゃなくとも。男の人が怖くても。トラウマが幾度となく私を傷つけようとも。
「...私、アイドル、辞めたくないよ」
大好きなことが出来なくなりそうで、辛い。
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てこゆの(プロフ) - izu^^さん» 一日で!笑一気読みありがとうございます、、笑笑こちらこそ読んでいただけて嬉しいです!^^ (2020年12月2日 19時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
izu^^(プロフ) - 偶然この作品に出会ったのですが、楽しくて1日で6まで読んでしまいました!!素敵な作品ありがとうございます!! (2020年12月1日 17時) (レス) id: 6a22bceaf6 (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - b_sr_mさん» えぇ!い、1番ですか...!?笑光栄ですありがとうございます(TT)(TT)励みになります〜!更新頑張ります!!!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
b_sr_m(プロフ) - 占ツクで1番好きと言っても過言ではないくらい好きでいつも読ませてもらってます!更新頑張ってください! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 642656ffac (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます〜!!えぇ!とっても嬉しいです、、、!更新頑張ります!!ありがとうございます〜! (2020年11月23日 9時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年11月2日 21時