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「............ふぅ、」
私は扉を前にして、小さく息を吐いた。
手の中にあるものをぎゅっと握り締めて、それでいて大切に、大切に包み込んだ。
「...オッパ、」
目の前にある扉を開いた時、大好きなあの人と目が合った。
チラッと時計を見てみると時刻は約束の10分も前だったが、生憎機転を利かせて他にするような会話は持ち合わせていない。
その人物、ホソクオッパは私を見て困ったように笑った。
...もう、察されてしまったのかもしれないな。
「...オッパ、今まで騙しててごめんなさい」
「騙してるなんて、そんな...」
「言うべきだったのに、言わなかった私が悪いんです。オッパは何も悪くない」
今日は全てを終わらせるためにここに来た。
私達の仲を自然と引き裂いてくれるような、そんなキッカケがようやく見つかったのだ。
私は、貴方を騙していたから。
貴方に嘘をついていたから。
だからこんな私の事なんて、早く捨てて下さい。
「............別れましょう、私達」
全部分かってるんです。
貴方の気持ちが、誰に向いているかなんて。
「...ごめん」
「謝らないで下さい。オッパは本当に...なんにも悪くないから」
あぁ、これで全部終わりなのか。
こんなに好きなのに、どうして上手くいかないんだろう。
来る前にあれこれと考えて、何回も頭の中でシミュレーションをしてきたのに。全部意味がなかったように思う。
恋が終わるのはあっという間だった。私の涙が頬を伝う前に、一瞬にして儚く散ってしまった。
「俺...」
「っ、言わないで下さい」
事情なんて聞きたくない。
彼の背後に何があったのかなんて、薄々気付いていたから。
...ねぇオッパ。何度も事務所から注意勧告されてるの、私知ってたよ。
それを本人から直接聞いてしまうなんて、いよいよ自分が壊れてしまうような気がした。
聞きたくない、その一心でオッパと唇を重ねる。
「...最後ぐらい、好きって言って下さい」
ねぇオッパ。
オッパは気付いてましたか。
付き合うことになったあの日の”好き”以来、一度も私に”好き”を伝えてくれなかったこと。
「...嘘でもいいから、愛してるって、」
ねぇオッパ。
好きだよ。
もう一つだけ、私のわがままを聞いて。
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てこゆの(プロフ) - izu^^さん» 一日で！笑一気読みありがとうございます、、笑笑こちらこそ読んでいただけて嬉しいです！^^ (2020年12月2日 19時) (
レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
izu^^(プロフ) - 偶然この作品に出会ったのですが、楽しくて1日で6まで読んでしまいました！！素敵な作品ありがとうございます！！ (2020年12月1日 17時) (レス) id: 6a22bceaf6 (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - b_sr_mさん» えぇ！い、1番ですか...！？笑光栄ですありがとうございます(TT)(TT)励みになります〜！更新頑張ります！！！！ (2020年11月29日 23時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
b_sr_m(プロフ) - 占ツクで1番好きと言っても過言ではないくらい好きでいつも読ませてもらってます！更新頑張ってください！ (2020年11月29日 22時) (レス) id: 642656ffac (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます〜！！えぇ！とっても嬉しいです、、、！更新頑張ります！！ありがとうございます〜！ (2020年11月23日 9時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：key
| 作成日時：2020年11月2日 21時
