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「耳の形。私福耳だから、ピアス開けるのすごく痛いしちょっと気持ち悪い形してるの」
「いいじゃん福耳。お金持ちになる証拠だよ」
「あ、おでこが広いのもやだなぁ」
「大人っぽい雰囲気になるし、俺はおでこ広い人の方が好き」
「.......さっきからどうしたの?」
質問の意図が全く掴めない。ヨンジュンが何を考えてるのかもよく分からない。
「.......いや、ただ。全てが完璧な人なんていないんだよ。だって、福耳だっけ?全然いいじゃん。Aにしかない、Aだけの特権。大事な個性でしょ」
「個性、ねぇ...」
「完璧じゃなくても、Aは充分綺麗だよ。見た目だけじゃなくて中身も。綺麗で、...うん。とにかく俺は綺麗だと思ってるから」
滅多に言わないような褒め言葉のオンパレードに、頭に思い浮かぶことはある1つ。
「.......ねぇ、もしかして、」
ヨンジュンはピクっと体を震わせて、小さく咳払いをした。
「...ごめん、この前のやつ、見てた」
この前のやつ、って。
「ラップチームで歩いてた時にたまたま通りかかったんだよ。ユンギヒョンとナムジュニヒョンもいた。...ホビヒョンはいなかったけど」
「なんでオッパ?」
「いや、あー...なんでもない」
見るつもりじゃなかったんだよ、って弁解してるヨンジュン。
「...なんて言ったらいいかわかんなくて。ただでさえAは俺に頼ってくれないから、少しでも心を軽くしてあげたかったんだけど。...ごめん、あんまりだった」
頭を掻きながらボソボソと言っているその様子に、なんだか笑えてきてしまった。
「おい、なんで笑ってんだよ」
「...いや、なんか嬉しくて。まさかヨンジュンがそんな風に思っててくれてたなんてね」
「.........悪い?」
「いや?全然、むしろありがとう。おかげで元気出てきた」
「そっか。...ほんとに、友達なんだから遠慮なく頼れよ」
「うん、そうだね。そうする。ありがとう」
ヨンジュンはアイスアメリカーノを飲み干すと、じゃあ行くから、と言って去っていってしまった。
その背中が心なしか大きく見えて、私はここでようやくもう1つの大切な心の拠り所を忘れていたことに気が付いた。
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てこゆの(プロフ) - izu^^さん» 一日で!笑一気読みありがとうございます、、笑笑こちらこそ読んでいただけて嬉しいです!^^ (2020年12月2日 19時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
izu^^(プロフ) - 偶然この作品に出会ったのですが、楽しくて1日で6まで読んでしまいました!!素敵な作品ありがとうございます!! (2020年12月1日 17時) (レス) id: 6a22bceaf6 (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - b_sr_mさん» えぇ!い、1番ですか...!?笑光栄ですありがとうございます(TT)(TT)励みになります〜!更新頑張ります!!!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
b_sr_m(プロフ) - 占ツクで1番好きと言っても過言ではないくらい好きでいつも読ませてもらってます!更新頑張ってください! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 642656ffac (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます〜!!えぇ!とっても嬉しいです、、、!更新頑張ります!!ありがとうございます〜! (2020年11月23日 9時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年11月2日 21時