244 ページ14
「今すごい話題になってて、トレンドにも入ってて...」
「...」
「直ぐに取り消してもらいな。デマだとしても、デビューしたてで悪い話が出るのはイメージダウンに繋がっちゃうから」
なんで、どうして。
言葉が出てこなかった。
デマ？そんなわけない。...だってこれは、紛れもない、
「...私、です」
「え？」
「...........事実、です」
不安定な足元が、音を立てて一気に崩れ落ちていくような気分だった。
私の言葉にジミンさんは唖然として、スマホと、私の顔とを二三度見比べる。
「...うそだ、」
まともに息が吸えなかった。
顔面蒼白。頭がガンガン痛くて、何もしてないのに身体が震えてくる。
冷や汗が止まらなくて、心臓が嫌な音を立てて暴れ回った。
ひゅっ、ひゅっ、と次第に苦しくなっていく呼吸に、その瞬間ぷつりと視界が真っ暗になる。
気が付いた時には、私は病院のベットに横たわっていた。
詳しい記事の内容はこうだった。
昔いざこざがあったあのテレビ局の人間と、私の元いた事務所の人間が手を組んでの暴露だ。
その事務所が抱えていた私の莫大な整形費用を返済するように、ビッヒ側に申し立てたのだという。
テレビ局側はテレビ局局側で私を恨んでいるから、私の整形前の顔を暴露して芸能界から引きずり下ろしてやろうと、つまりこういう魂胆らしい。
『”作り物”はどう足掻いても”天然”には勝てない。』
フラッシュバックするあいつの言葉に、ガツンと鈍器で頭を殴られたような気分になった。
...全部、最初から知ってたんだ。
それで散々私を泳がせておいて、勢いが乗ってきたところで一気に奈落に突き落とすつもりだったんだ。
「...っ、」
悔しい。
ここまで来て、私は結局何ひとつとして変わっていなかったのだ。
もう、スタートすら見えなくなってしまった。
真っ暗な暗闇に迷い込んだみたいな、そんな感覚。
喉も詰まる。息も吸えない。声も出ない。
「...っ、っぁが、ひ...」
ブツ、ブツ、とノイズがかったような感じだった。
もういっそのこと、消えてしまいたい。
今まで、どんなに辛くても考えたことのなかった最悪の事態を、ふと想像してしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 922人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てこゆの(プロフ) - izu^^さん» 一日で！笑一気読みありがとうございます、、笑笑こちらこそ読んでいただけて嬉しいです！^^ (2020年12月2日 19時) (
レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
izu^^(プロフ) - 偶然この作品に出会ったのですが、楽しくて1日で6まで読んでしまいました！！素敵な作品ありがとうございます！！ (2020年12月1日 17時) (レス) id: 6a22bceaf6 (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - b_sr_mさん» えぇ！い、1番ですか...！？笑光栄ですありがとうございます(TT)(TT)励みになります〜！更新頑張ります！！！！ (2020年11月29日 23時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
b_sr_m(プロフ) - 占ツクで1番好きと言っても過言ではないくらい好きでいつも読ませてもらってます！更新頑張ってください！ (2020年11月29日 22時) (レス) id: 642656ffac (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます〜！！えぇ！とっても嬉しいです、、、！更新頑張ります！！ありがとうございます〜！ (2020年11月23日 9時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：key
| 作成日時：2020年11月2日 21時
