242 ページ12
...ソユンは、オッパに似てどこまでも優しい人だ。
そんな優しさが、また2人をお似合いだと近付ける自分がいる。自らそれを引き裂いてるくせに、何を考えてるんだろう。
「ごめん、今日もこの後用事あるから。先帰っててね」
ソユンはまだ片付いてすらない私物を雑に集めてバッグに無理やり詰め込んで、私と目を合わせずに出ていってしまった。
「...ソユン、泣いてなかった？」
「ごめん、私が泣かせた」
戻ってきたユンジは何も言わずに、私の背中を二度三度優しく撫でた後、帰ろうか、と呟いた。
...結局、我儘なのも、意地悪なのも、自分勝手なのも...優しくないのも、全部私だけなんだ。
後日。上がらない気分のまま、私はただ黙々と事務所の階段を上っていた。
ソユンは優しいから、私に対しても変わらず接してくれている。私が逆の立場だったら、きっとソユンを許せなかったと思うのに。
普段通り接する私達2人の様子を見て、ユンジが安心したような顔をしたのも記憶に新しい。
「Aヌナ！」
わ！と背後から急に脅かされ、吃驚して肩が上がった。
「スビン、危ないよ」
「ごめんなさい...」
シュンと口をすぼませた彼は絵文字通りうさぎのよう。
「それにしても随分ご機嫌だね？」
「ヌナと久しぶりに会えたので〜」
ジンオッパの時といい、私の時といい、推しに対するアピールがすごいんだよなこの子。
熱烈な視線にとりあえずありがとうね、と適当にあしらっておく。
「ちゃんと僕達の新曲聞きましたか？」
「もちろん...ってあぁごめん、伝え忘れてたね」
「ほんとですよ！てっきり聞いてくれてないのかと！」
色々あって、すっかり忘れてしまっていた。
「ごめんね。あまりにも良すぎて、ね？」
「...もう。また一緒にゲームしてくれるならいいですよ」
TXTってこういう所はみんなちゃっかりしてるんだから。
分かったよ、って降参するとようやくスビンも許してくれたみたいだ。
「そういえば、コラボの練習どうだった？」
「あぁ、楽しかったですよ！メンバーが2人も居るし、曲も可愛いんです。ヌナは明日から一部の練習も始まるんですよね？」
...そうだ。憂鬱だけど、明日からホソクオッパと2人きりの練習が始まる。
明後日には二部の2回目の練習もあるから、テヒョンオッパとも顔を合わせなきゃいけないし。
「ヒョンと2人なんて凄いですよね！楽しみにしてます！」
純粋なスビンを見て、私も逃げてばかりじゃいられないか、と思ったり。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 922人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てこゆの(プロフ) - izu^^さん» 一日で！笑一気読みありがとうございます、、笑笑こちらこそ読んでいただけて嬉しいです！^^ (2020年12月2日 19時) (
レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
izu^^(プロフ) - 偶然この作品に出会ったのですが、楽しくて1日で6まで読んでしまいました！！素敵な作品ありがとうございます！！ (2020年12月1日 17時) (レス) id: 6a22bceaf6 (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - b_sr_mさん» えぇ！い、1番ですか...！？笑光栄ですありがとうございます(TT)(TT)励みになります〜！更新頑張ります！！！！ (2020年11月29日 23時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
b_sr_m(プロフ) - 占ツクで1番好きと言っても過言ではないくらい好きでいつも読ませてもらってます！更新頑張ってください！ (2020年11月29日 22時) (レス) id: 642656ffac (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます〜！！えぇ！とっても嬉しいです、、、！更新頑張ります！！ありがとうございます〜！ (2020年11月23日 9時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：key
| 作成日時：2020年11月2日 21時
