宇髄さんが相談役定期 ページ8
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また来た。時透だ。
このキメツ学園の美術の教師をしている俺に、
前世の記憶があることを知って毎日、美術室にくる。
しかも、毎日、Aの話してきやがる。
「宇髄さん。僕もう決めたから。今日、Aに婚約を申し込む。」
「待て待て。まだ恋人でもないのに、それは派手に飛躍しすぎだ。物事には順序ってもんがあるだろうが!」
「そんなの関係ない。僕はAが好きなんだから。僕たちは前世では夫婦だったんだ。はやくキスしたいし、一緒に寝たい。」
「いいか?時透。Aには前世の記憶がない。その状態で突然求婚されたら困っちまうだろ。それに、お前らはまだ子供だろうが。結婚より、派手に青春しやがれ!」
「僕は子供じゃない!もう高校生だし!」
あーあ。怒ってやんの。
ほら、ガキじゃねえか。
前世というカードしか持っていないうえ、相手に記憶がない今の状況では、時透に勝ち目はないだろう。
よし。
時透にはせっかく生まれ持っている美貌があるんだ、ここは俺が一肌脱いで、ド派手にキューピッドしてやるぜ♡
「わかった、わかった。じゃあこうしよう。今度の学園祭で美術部の出し物で出すオブジェを、明日から手伝え。Aは俺から誘っておいてやる。記憶に頼らずとも、お前たちが魂で惹かれ合うなら、派手に証明してみせろよ。」
「なるほど。僕たちは生まれる前から心通じ合う運命だからね。きっかけさえあれば余裕かな。ありがとう宇髄さん。明日の放課後またここに来るよ。」
よし。
あとはAを誘っとくだけだな。
しかもオブジェ製作を手伝わせることまで出来て、
一石二鳥じゃねえか。俺ってば、天才か?
どうなるかはお前ら次第だ。
頑張れよ♡
でも、心配だから一応様子はみにくるか。
時透が下手うちゃ、俺が頑張った意味なくなるしな。
→つづく
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作者名:まちゃむん | 作成日時:2023年11月21日 19時