ジュウナナ ページ19
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部屋から出ると、そこには静まり返った廊下が広がっている。
気配を消して、足音のなる方へ少しずく進んでいく。
遠目に誰かいたので、目を凝らしてみると三日月だった。
彼なら大丈夫だろうと思い、声を掛けようとしたその時……
「夜蝶は、夜蝶は何処だ…?
今剣に連れて行かれたのだ、何処に居る……」
少しずつ姿が変わっていた、
綺麗な瞳に浮かぶ月は紅い月に、額には角が生えて
彼が闇堕ちしてしまったんだ、という事実を受け止められない。
だけど、此処でとめないと他の刀剣に手を出すかもしれない。
「夜蝶、夜蝶夜蝶夜蝶…夜蝶や、夜蝶……」
『ッひ…』
「夜蝶?そこに居るのか、のう夜蝶、夜蝶夜蝶」
『こ、此処でありんす!』
「夜蝶夜蝶、戻るぞ、」
目が見えていない様子、それに加え耳も聞こえないのか
話し掛けても彼とは話が噛み合っていない。
『ッ………戦場に、』
「夜蝶や、どこだ?夜蝶夜蝶夜蝶」
『三日月、わっちは此処でありんす!』
声をかけ、少しずつゲートへ向かう。
闇堕ちした刀剣は、二度と元の姿には戻れない。
見境なく攻撃することもあるらしいので、こうするしか手はない。
ゲートに着き、行き先を選択する。
行き先は適当に選択して、着いてからのお楽しみだ。
『さようなら、』
「兄上ッ!!!」
「夜蝶さんッ!!」
さようなら と言った時に、皆の声が聞こえたのは現実だといいなぁ…。
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作者名:らいあげポテト | 作成日時:2019年6月16日 3時