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『なんでと言われましても、行ってきてって言われたから来ただけですよ。』
「誰に?」
『クラスメイトです。』
この人は私がここに来た理由なんて知って楽しいのだろうか。
「ふーん…だからって普通こんな怪しいとこ来るか?しかも友達でもない奴に言われて。」
『暇だったので。』
「あっそ。じゃあもう1個質問。」
『…どうぞ。』
もう解放して欲しい。
そんなことを考えながら適当に摂津さんの質問に応答する。
「なんでお前ここに泊まることすんなり了承したんだ?」
『え?』
「普通親が心配するからーとか言って渋るもんだろ。それにお前は左京さんの話も全部鵜呑みにするし。
本当に森から出られないのか試してみようと思わなかったのか?」
『…』
私のこと勘がいいとか言う割に、自分だって十分勘がいいじゃないか。
『母親は1週間前から行方不明、父親は物心ついた時からいないので親が心配することはありません。
家に1人でいるよりも大人数の方が楽しいと思ったので泊まらせてもらうことにしました。』
「…」
『もういいですよね。おやすみなさい。』
「あ、待って。あと1つ。」
まだ私なんかに話すことがあるのか。
摂津さんは私の腕を掴むと、その腕を引いて目の前に私を座らせた。
「血、吸わせてくれねぇ?」
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作者名:りおた。 | 作成日時:2020年1月31日 18時