清水の雫【マギ】

希望の一手,6 ページ6

◦◯。゜◎



“ﾕﾅﾝ「不思議を知りたければ、
　 迷宮に行けばいい

　 この近く、ある島に発生した迷宮だよ

　 君が掴みとってみればいい」”



ユナン様はそう言った翌日には
もういなくなっていた

実際に海上局に問い合わせると、
統治内の島の一つに迷宮が発見される

チェカ島の西部突如として現れた迷宮は
帝国民の、生活圏内のど真ん中だったと言う
死亡者は出なかったものの、
村は半壊状態
撤去しようもないので、困っているそう

報告書の前に、
面会依頼を出さないといけないので
側仕えに使いを頼むことにした

執務机の上に置いてあるベルを
二回振ると、綺麗な音が鳴る
そして、コンコンと二回ノックの音がした
「失礼します、お呼びでしょうか」
と仕えの者の鈴(りん)が顔を出す



『入って頂戴』


鈴「失礼致します」



一回跪くと、スタスタと入ってきた
執務机の前で止まる



『皇帝陛下に面会依頼を出して頂戴
　そうねぇ、二日後の午前でお願い致します』


鈴「承知致しました」



早速、資料造りや報告書作成を行う

他にも、海上局は色々な情報を入手していたそうで
最近の収穫はパルテビア帝国の内乱状況
過激化してきている

こちらにとっては全く無害で関係ない国だけど
いつ戦争を仕掛けてくるか分からない

まだ慎重に見ないといけない

情報を纏めた書物をくるくるとまとめ、
紐で結んだ
すると丁度、鈴が帰ってきた



鈴「失礼します、
　 その件に関しては
　 早急に来いとの命令だそうです」


『あら、そう…

　すぐに行くわね、そう伝えて頂戴』



執務用に着ていた服を
側仕えに脱がせてもらい
綺麗で質の良い着物に着替える

と言っても、上の衣だけで
時間はさ程時間はかからない

さっき纏めた書物を文官の
加雨(かう)に任せると、足早に部屋を出る

できるだけ急がなくてはならない
なにせ、皇帝陛下はわがままが酷い

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