甘いあまい、飴のあめ【角名倫太郎】 (ページ1)

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プロローグページ1

□。

いつもの朝。

特別空が綺麗な訳でもなく、特別何か変な事が起こるわけでもない平凡な朝。
ちょっと変わったといえば、昨晩の雨で雑草に水滴がついて、キラキラと輝いてある事を発見した事くらい。

変貌など無縁のような街並み。
風景など一日そこらでは変わらない。何十年もかけて風化してゆく。

そんな今日、たった一秒だけで変えられるもの、それは何だろうか？
自然の流れに任せたまま、変わるものは何だろうか。

それはきっと気持ちだと思う。
たった一秒でころっと気持ちを変えることは簡単だ。
そんな変化をころっと起こせる気持ちさんにも、強敵が居るだろう。

それはきっと、

『誰だと思う？』

突然目を隠されて立ち止まる。
目隠しされた時点でバレバレだけど、声に出して更に気付かせようとするのがよく分からない。

そんな時間を幸福に思いながら、口を開いた。

角「日葵(ひな)、バレバレだよ」

そう言うと、「ふんむ〜」と言って腰に抱き着いてくる。

なにそれ、可愛すぎる。

『バレちゃったあ〜』

それはきっと、“愛”なんだろう。