…講義��.You ページ16
若月:「仲澤は好きなタイプとかいないのか??」
壁を背にし、しゃがみ込んで恋愛相談会。
たいちゃんと違って健矢さんは真剣に聞いてくれる。
A:「全くない…ってわけやないですけど」
若月:「言ってみなさい」
A:「……その、野球が好きなんで野球と携わりのある人だと」
若月:「ほお…仲澤は本当に野球が好きだな」
A:「だから、引かれるかなぁ…とか思うて…」
若月:「そんなことない。本気で仲澤の事が好きなら引かないし誰にだって理想はあるもんだ」
健矢さんに相談してほんま良かったわ…神すぎる…。
若月:「例えば…そうだな。野球選手が居て、仲澤の事が好きで。嫌だと思うか??」
A:「…嫌では、ない??」
若月:「そいつは手を繋ぎたいと思ってる。それは嫌か??」
A:「手触られるんは、別に…でも急に触られるんは嫌や」
若月:「うん、十分」
A:「え??」
若月:「仲澤には好きになるんじゃなくて、なってもらうのが適任だ。そこから恋をすればいい」
A:「ど、どゆこと??」
若月:「ここは格好の場だ、仲澤の好みタイプしかいないだろ」
A:「ま、まぁ野球チームですしね…」
若月:「それに他のチームとも交流はあるし、まずはそいつのプレーに恋するのはどうだ??」
A:「プレー…」
若月:「能見さんを例に出した方がいいか。能見さんのどこが好きだ??」
A:「圧倒的美しさ。変わらないスタイルも唯一無二のあのワインドアップから放たれる球とかめっちゃ好き」
若月:「それと同じ原理だよ。能見さんは憧れだけど、恋に置き換えればいいんだ」
その発想はなかった…。
健矢さん頭ええなぁ…。
A:「もし、もしですよ??プレーだけ好きになるって場合はありません??」
若月:「なくはないな。それは能見さんと一緒でファンで終わる。いいか、恋って言うのはその人と一緒に居たいって思う事だ」
A:「一緒に居たい…」
若月:「俺も奥さんと一緒に居たくて、幸せにしたいと思って結婚した。唯一無二の人だ」
そんな人、居るんやろか…。
若月:「まぁ急ぐな。追々ついてくるものだ、な??」
A:「はい…」
頭を撫でられ、何だか言葉に上手くできないがとりあえずは待つことにしてみる。
健矢さんの言ったようにまずはプレーに恋してみよう。
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作者名：柘榴 | 作成日時：2024年3月23日 20時
