3話 ページ5
神の岩に向かう途中、とある少年がいなくなったという不穏な話を耳にしたものの、今はこちらが優先だということで一応頭には留めておいた。
ルキが先頭を歩いてその後ろに私とエマが続く。ふと、エマが神の岩を見上げて
エマ「我ら、イシの民。大地の精霊と共にあり…か。」
『…へ?』
突然言うものだからなんとも間抜けな声が出てしまった。そんな私を見てエマはふふっと微笑んだ後に
どこか遠くを見つめて言う。
エマ「おじいちゃんから聞いたの。あの神の岩には、大地の精霊さまが宿ってるんだって。…小さい頃からずっと16歳になったら神の岩に登って、大地の精霊さまに祈りを捧げなさいって言われてきたけど………」
『…けど………?』
エマがこっちを見てぷくーっと頬を膨らませて
エマ「こんなしきたり、誰が考えたのかしら。一人前になる前に崖から落ちてケガでもしたらどうするのよ。」
その言葉に確かになーと思いつつも、なんだか面白くて笑ってしまった。
『ふふっ』
エマ「もう!笑い事じゃないのよ?」
『あははっ、ごめんごめん。今まで真剣な顔して言ってたのに突然そんなこと言い出すからっ……』
私の言った言葉にエマはまた頬を膨らませてふんっというようにそっぽを向いてしまった。
『ごめんって、エマ。……でも、私がエマを守るから。安心して、ね?』
と言えばエマはこっちを向いて
エマ「えぇ!それもそうね。………というか、私Aと生まれた日が一緒で良かったなぁ。ひとりだったら絶対めげてたもん。」
『そうだね。私もエマと一緒で良かったぁ』
エマ「…それじゃ行きましょ………………」
とエマが言いかけた時、ルキが突然吠えだした。
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フリーデン(プロフ) - 氷花さん» コメントありがとうございます!モチベーションアップして更新頑張りますね! (2022年8月5日 10時) (レス) id: ee72ff3041 (このIDを非表示/違反報告)
氷花(プロフ) - こんにちは、とても面白いです。これからも更新頑張ってください。 (2022年8月5日 7時) (レス) id: 724789ecd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フリーデン | 作者ホームページ:
作成日時:2022年7月14日 6時