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11話 ページ13

エマ「ユーシャ?」


お母さんは驚く私を無視して話を続ける。


ペルラ「勇者がなんなのか分からないけれど、あんたは大きな使命を背負ってるっておじいちゃん、ずっと言ってたわ…。」


『そんな………』


ペルラ「Aが成人の儀式を終えたら北の大国、デルカダールに向かわせてほしい。そして、王様にその首飾りを見せたとき…」


ペルラ「…………すべてが明らかになるだろう…って」


『ねぇ、お母さん。それって………私、イシの村を出てデルカダールに行かなきゃ行けないの…?』


今の話から推測すれば簡単に見つけられる答え。でも…ここから離れたくない。ずっとここにいたい……


ペルラ「そうだね。A。」


エマ「…そんな。」


家の空気が重苦しかった。どんな顔をすればいいんだろう。


そんな空気を変えるかのようにお母さんは明るい声で言う。


ペルラ「さ、明日から当分会えなくなるわ!今夜はお母さんがとびっきりおいしいご飯を作ってあげるからね!」


『…!うん!』


私は勇者の生まれ変わり。突然打ち明けられた事実を簡単に受け止められなかった。私は不安と期待が入り交じってなかなか眠れなかった。


『お母さん、私…眠れないから夜風に当たってくる。』


ペルラ「分かった。風邪をひかないようにね。A」


『ありがと。』


そう言って私は家を出た。外はもう暗くてそして肌寒い風が当たる。


『さむっ……』


でも………私が勇者の生まれ変わりかぁ…あまり実感湧かないな。そもそも、なんで私が勇者の生まれ変わりなんだろう…なんて考えながら歩いていると、見知った後ろ姿が見える。


あれって…


『………エマ、』


そう言えばエマは振り返って話し始める。


エマ「Aも眠れないのね、私も。なんだか眠れなくって。」


『…そっか。』


エマ「ねぇ、この木覚えてる?」


エマは先程まで見上げていた木を見る。


エマ「子供の頃、この木にスカーフを引っかけて私、大泣きしたんだよね。でもAがなんとかしようと村中を駆け回ってくれて……」


『そうだね、あ、今日の成人の儀式の前にもスカーフ引っかけちゃってたよねー……ふふっエマは昔から変わってないなぁ』


エマ「そうかも。…私ねAはずっとイシの村でみんなで暮らしてくんだろうなって思ってたの。」

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フリーデン(プロフ) - 氷花さん» コメントありがとうございます!モチベーションアップして更新頑張りますね! (2022年8月5日 10時) (レス) id: ee72ff3041 (このIDを非表示/違反報告)
氷花(プロフ) - こんにちは、とても面白いです。これからも更新頑張ってください。 (2022年8月5日 7時) (レス) id: 724789ecd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フリーデン | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年7月14日 6時

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