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‥
二礼、二拍手、一礼。
明けましておめでとう、から始まった挨拶。新年を迎えた今日、わたしは二口くんと初詣に来ていた。
あまり人気のない神社で、つい多く願ってしまうのは仕方のないこと、だと思う。
しっかり目を閉じて、額を指先に当てた。
就職活動が上手くいきますように。今年も舞ちゃんと同じクラスになれますように。テストでしくじりませんように。それと……。
目を瞑っているだろう二口くんにそっと目を向けると、彼はわたしを観察するかのように見ていて、思わず声が出る。
「ふ、二口くん早いね」
「ああ、まあ……。白石は一生懸命願ってたな」
「うん。神頼みしておきたいことたくさんあるから」
ほんとうは、神頼みなんてしなくても叶うと良いんだけれど、保険というか、なんというか。
やっぱり神様に頼んだほうが心強いよね。
二口くんは結構早かったけど、なにを願ったんだろう。
やっぱり、バレーのことかな。
「二口くんは、どんな願いごとしたの？」
「え！？」
「え？」
過剰に反応した二口くんは固まってしまった。
……な、なんだろう。聞かれたくないことだったのかな。
「そ、そういうのは、人に言うと叶わないって言うだろ！」
「そ、そっか！そうだよね！」
顔を紅く染める二口くん。
わたし、不躾なことを聞いてしまっただろうか。
あー！もう！と声を上げる二口くんを吃驚して凝視してしまう。彼は振り返るとその真っ赤な顔で、おみくじ、引くんだろ。と言った。
そのすねたような表情がちょっぴりかわいくて、くすりと笑うと怒られてしまった。
*
「大吉」
「小吉かぁ……」
せーの、で開いたおみくじ。期待していたものとは違って、すこしがっかりして肩を落とす。
二口くんが大吉なのは良かったけど、できることならわたしも大吉を引きたかったなあ。
「そんなガッカリすんなよ」
「今年就活あるのに……」
「……」
二口くんはおみくじを雑にポケットに仕舞うと、両手でわたしの手を包み込むようにして握った。
「！？ふ、二口くんっ」
「じゃあ俺の運やるよ」
「え？」
「あと、心配しなくても待人は来るからな」
そんなこと、心配してないのに。
二口くんのやさしさに目眩がした。
‥
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幸(プロフ) - あんみつさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです……！こちらまだ単行本未収録でしたか！申し訳ないです。注意書き追加しておきます。 (2020年3月1日 9時) (
レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白くて更新凄い楽しみにしてました！！すごいキュンキュンさせられてました！最後の方に本誌ネタがあるんですが多分単行本派の方もいらっしゃると思うので本誌ネタ注意と書いておいた方が良いかと…… (2020年3月1日 8時) (レス) id: 86e8f7f917 (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - 橘さん» コメントありがとうございます！私の書く二口くんにときめいてくださっているのなら嬉しい限りです！ (2020年3月1日 2時) (レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
橘 - とても面白く二口くんにキュンキュンさせられてますww (2020年2月9日 19時) (レス) id: a7677655c7 (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - アヤミさん» コメントありがとうございます！少女漫画のイケメンような二口くんを書きたいと思い作成したので、そう言っていただけて本当に嬉しい限りです！応援ありがとうございます、これからもこの作品を宜しくお願い致します。 (2020年1月16日 22時) (レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸 | 作成日時：2020年1月13日 19時
