友達なんて。【東雲 彰人】

5話 ページ6

『っあーーーー！！！』



「っ！.....ビックリした....急に叫ばないでよA。」



『ごめんごめん。杏。』



「で、どうしたの？なんかあった？」



『いや〜青柳くんどっかで見たことあるなって思ったら、司くんと仲良い子でしょ！！』



「司くんとは....司先輩のことか？」



『そーそー！司くんが良い後輩って言ってて.....どんな子だろうって思ってたからさ！』



「そうなのか。司先輩とはどういう関係なんだ？」



『んーと.....知り合いの知り合い....みたいな？』



「...今度、司先輩からAの話を聞いてみよう。」



「....よく話しかけようと思うな...」



『え？』



「あーいや、なんでもないです〜」



「彰人。もうバレてるんだしその喋り方辞めたら？」



「はぁ？まだバレてるってわからねぇだろ。」



『バレてますけど？』



「....マジかよ」



「あはは〜.....」



『えっと....東雲くんって言った？』



「あぁ、そうだけど。」



『うーん......』



東雲って絵名の苗字だよね......



いやでも絵名、弟いるって言ってたっけ？？？



性格似ても似つかない気もするしなぁ......



「なんだよ。人の顔ジロジロ見て」



『......なんでもない。』



「杏ちゃん。Aちゃんに何か用あったの？」



「ん〜？あ！そうそう！明日のライブ、見に来てよ！」



『いいけど....そのために呼んだの？』



「え？みんなに紹介したくて....」



「明日でも良かったんじゃないのか？」



「....確かにーーーーー！！！」



杏はバカなのかな......



ﾋﾟﾛﾝ



え、今ケータイなった？



「A〜？今日遅くない？」



あれ？今日って集まりあったっけ？



今は....6時半じゃん！



『ごめん、もう帰らないといけないからまた明日ね！絶対みにいく〜！』



「えっ？ちょっとA！？」



「いっちゃったね.....」



「忙しいやつだな」



_______『....ただいま。』



私は今一人暮らし。



両親は海外にいる。



1人だから楽なんだけどね......



両親は嫌いだ。"両親"とも呼びたくない。



私の両親は音楽家。



父はオーケストラの指揮者。母はピアニストだ。



だから幼い頃から音楽をならい続けていた。



でも私には、才能がなかった。



音楽は嫌いじゃない。今音楽をしているし。



でも......



「いつまで私の顔に泥を塗るつもりだ！！」



と怒られるようになった。

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