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読み終わったことを伝えるためにネームを置くと、どうでしたか!? と秋山先生が腰を浮かせた。机がガタンと揺れる。

秋山先生の、絶好調な時と不調時のテンションの差は凄い。本当にガクンと下がってギュンと上がる。

だから今は、絶好調な時だ。


「問題ありません。数カ所気になるところありますけど、本筋は全く問題ないかと」

「よ、良かった……!」


よかったあと机に突っ伏す先生に思わず苦笑い。私も安心だ、いやでもこれからだと気を引き締めていると、おもむろに先生が顔を上げる。

思わず目が合うと、秋山先生は笑った。


「……どうかしましたか?」

「いえ。室橋さんすごいなあと思って」

「私がですか?」

「はい。だって私じゃ思いつきもしませんでしたもん。慣れないことに気を取られて、発想が狭くなってたのかも」


でも編集者の力だけでここまではできません。間違いなく秋山先生の力ですよとベタ褒めすると、いえいえお恥ずかしいと照れながら先生はコーヒーを啜る。

私には無理だ。だって私は編集者なんだから。


これはただの「恋」じゃない。

ある日の放課後、ふと学校の外で『音』を聴いた主人公。

実際に確かめるべく、慌ててその音の主を探すけれど、聴こえたと思った教室はもぬけの殻。

それでも諦められずに主人公は音を探す。
しかし、探しても探しても見つからずに、一週間が経っていた。

もう諦めかけたその時、再び同じ音が聴こえる。今度は見つかった音の主。

――それは、同じクラスの女の子の『音』だった――……。


「"音"は"声"じゃないんですよね。それをコンプレックスに思って隠す彼女に、主人公が『私はあなたの音に恋をしたの』って迫る場面が凄く良いです」

「えへへそうですか……え、いえ、迫ってる訳じゃ……どっちかというと褒めてる感じでは……」

「どっちでも同じですよ。最後、その音を生かして演奏するのは良いんですけど、手前の喧嘩のシーンが弱いのでもっと激しくした方が」

「……でも女の子同士ですし……」

「主人公もっと必死になってもいいと思います。このままじゃ迫……褒めてる時より勢いがありません」

「あ、なるほど、そうですね」


じゃあこうしましょうか、なんて新しいものを描き始める先生に、思わず笑みが零れる。

編集者をやっていてよかった、と思う時。読者でも作家でもない、大好きな漫画との関わり方。

その日は長い時間話し合った。漫画を先生に気持ちよく描いていただくために。



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設定タグ:月刊少女野崎くん , 宮前剣 , 編集部   
作品ジャンル:アニメ
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スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 怒らないで委員会会長mAKAさん» 私なんぞが剣さんなんて恐れ多いです……!位置的にはパラスコ星人くらいで充分ですよ。……前野さんに投げたら逆に喜ばれちゃうので、ダメージは与えられそうにないですね……。 (2016年3月18日 21時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - スマトラ島のラフレシアさん» レスありがとうございます!!いや、なんというか作者様って野崎くんにとっての宮前さんみたいな感じなんだなーとしみじみ思ってます。あ、タヌキ拾ってくれてありがとうございました。前野にでも投げときましょう。← (2016年3月18日 18時) (レス) id: bd598a3311 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - お久しぶりですー!!と、とりあえずタヌキは私がキャッチしておきました(使命感)。小田先生、気付いて頂けたようで嬉しいです!よかった!マイペースですが、よいものをお届けできるよう精進して参ります!! (2016年3月11日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - 新作…!!あ、もう目からタヌキが。内容も流石です!!前作のキャラ(小田先生)もからめてきてて最高です!!ゆっくり頑張ってください!! (2016年3月11日 1時) (レス) id: bd598a3311 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - 浪越りいさん» 大変お待たせ致しました……!!すみません。ありがとうございます。私も大好きです。あんまり縛らずに自由且つのんびり進めますので、よろしくお願いしますー! (2016年1月24日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年1月23日 18時

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