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目的地の応接室前まで辿り着いた。
最後まで一緒に来たショッピに今一度行き先を伺うと同じだったようで。
『オスマンさんへのご用でしたら、後程の方がよろしいかと思いますが』
「いや、そっちちゃいます。多分同じ人に用なんで」
ニヤリと笑みを浮かべながら、彼はAにノックを促した。
「ああAちゃん、ちょっと前に終わったで」
「A外交官、お邪魔して、……」
にこやかに迎え入れたオスマンと、その外交相手。
Aにとってよく知る人物だった彼はいつも彼女に向ける微笑みを浮かべたが、後ろについてきた存在を認識した途端珍しく口を噤んだ。
「……貴様、」
「おっと、俺もうただの情報屋ちゃいますよ。ここの幹部補佐なんで」
『補佐官？』
「…失礼いたしました。まずはお久しぶりです、A外交官。ご足労いただきありがとうございます。お会い出来て嬉しいです。ゆっくりお話させていただきたいところですが、その、後ろの方はA外交官がお連れに？」
『いいえ。その様子だと顔見知り？』
「そうなんすよ、実は。俺アンタとは仕事したことなかったんやけど、こっちとは昔ちょっとね」
「…A外交官に向かって何て口の利き方をしている」
ニヤニヤと笑みを浮かべるショッピに対して、補佐官は若干不機嫌そうに眉を寄せる。
本当に珍しい、Aがこの表情を見たのは外交官室へ退官する旨を伝えた時以来だ。
こちらは気にせず話していいですよ、と微笑むオスマンと頷くAの厚意に抗う術もないようで、しかしそれでもAの前だからか言葉は選んでいるようだった。
「相変わらず大変そうっすね。いや、敬愛する上官がおらんくなったからか？」
「…余計なことは言わないように」
「今は俺がAさんの部下やからってそんな突っかからんでくださいよ」
「……」
「まあ結構良くしてもらってんで妬かれてもしゃあないっすけどね」
「…本当に優秀ならわざわざお手を煩わせることもなかったと思うが」
「入ったばっかなんで当然でしょ」
「…直属ではないだろうに面倒を見てくださっていることをもう少し感謝すべきでは？」
互いに棘のあるギスギスした会話、知り合いと言うには濃く、しかしもちろん友達同士でもなさそうな二人だったが、Aは特に心配することはなかった。
ニコニコと見守っていたオスマンがこちらに歩み寄る。
「意外と仲ええんちゃう？」
『私もそう思います』
Aの同意にはすぐに元部下より違います、と返事が返ってきた。
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りんご - 初めまして。勝手ながら、このお話を読ませて頂きました。丁寧な表現力や語彙力に惹き込まれました。続きを見たいという気持ちと、作者様の健康を優先して欲しいという気持ちでし葛藤しています笑。是非、続きを読めることをたのしみにしています (3月10日 16時) (
レス) id: bdd9411b02 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続きです)こんな素晴らしい物語を無料で読ませてもらっていいのでしょうか…！少し大袈裟かもしれませんが、この作品を世に生み出してくださり本当にありがとうございます！どうかお身体にはお気をつけて！この続きを読める日が来るとことずっと祈っています！ (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - コメント失礼します。ほんの数時間前から読み始めたのですが、とてもとても面白くて時間も忘れて読み続けてしまいました…！二次創作ではなく、小説としか思えないようなクオリティと語彙にとても感銘を受けました…！感情移入しすぎてついつい泣きそうになりました、笑 (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続き)ドキドキしてしまい、本当に自分が会話しているような気分になります！物語への没入感が高く、つい時間を忘れてしまいます！ 図々しいですが、是非また更新していただきたいです！何も知らないですが無理はなさらないように、少なくとも私は心待ちにしています！ (5月21日 12時) (レス) id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 初コメ失礼します！つい一昨日から読み始めたのですが、面白くてスイスイ読み進めてしまいました！主観的な感想ですが書き方がとても自分に合い、その場面場面を想像するのがとても楽しいです！キャラたちの会話もクオリティが高く、読んでいるだけなのに勝手に(続く) (5月21日 12時) (レス) @page13 id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2018年11月28日 22時
