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ショッピの所属も無事決まり、その実力に今更表立って反対する者は誰もいなかった。
いきなりの幹部補佐、馴染むにはまだかかりそうだが、それよりも本人は翌日から研修がてらいろいろと仕事を回されたことの方が堪えたようだった。
「ここの人ら幹部のくせに自分で仕事し過ぎなんですよ。もうそこそこ人数おるんやし承認だけしとったらええやん…」
そう言いながらも真面目に書類を眺める彼にAは苦笑し、トントンは素知らぬ顔で目を逸らした。
数週間ほど経った頃。
長い廊下をテンポよく進むのは黒のタイトスカート。
あ、という小さな声に振り返れば丁度通り過ぎた角から現れた件の新人と目が合った。
『お疲れ様です』
「どうも」
こちらへやってくる彼に問えば同じ方向に用があるらしい。
自然と横に並んで歩きながら軽く雑談を交える。
『少しは慣れましたか？』
「ぼちぼちっすね。まあ微妙に遠巻きにされとる気もしますけど」
『お気持ちお察しします。ですがショッピさんの覚えの早さから見れば時間の問題かと思いますよ』
「…やっぱアンタか」
僅かに目を細めるショッピ。
何のことでしょう、と問えば彼はわざとらしく溜息を吐いた。
「俺のとこにくる仕事は外からは見えんかった軍内部に関することか持ってる情報を活かせる内容が多いし、幹部の手伝いとかはあってもそれ以下とのやり取りは今んとこ少ない。…俺に必要なやつややれそうなやつから回してくれてたんでしょ？」
『書記長はトントンさんですし、貴方に直接仕事を振るのは私ではないですよ』
「コネシマさん達はそういう細かいとこまで気にせんし、トントンさんがぼかす以上アンタくらいしか思い当たらん」
『そうですか？』
「そうでしょ。…まあ実際助かってんで礼は言っときます」
ショッピの表情にそれほど変化は見られなかったが、その脳内はこの国へ来てからのいくつものシーンを思い返す。
顔合わせの日のこと、歓迎会後の深夜と翌日の朝に差し入れられた水と薬、その後の説明や声掛け等、細やかな配慮は一人で仕事をしていた彼にとって新鮮で、しかし過干渉もされなかったため自分のことに集中できた。
涼しい顔を続ける彼女へ視線を送り続ければ、Aは答えの代わりを紡ぐ。
『余所からの参入って色々と大変ですよね。でもご存知の通りここは他国より全然ましなのですぐ慣れますよ』
「それって経験談ですか？それともアステールの愚痴？」
『ご想像にお任せします』
茶化すような互いの声色、ふと視線が交わればどちらからともなく自然と口角が上がった。
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りんご - 初めまして。勝手ながら、このお話を読ませて頂きました。丁寧な表現力や語彙力に惹き込まれました。続きを見たいという気持ちと、作者様の健康を優先して欲しいという気持ちでし葛藤しています笑。是非、続きを読めることをたのしみにしています (3月10日 16時) (
レス) id: bdd9411b02 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続きです)こんな素晴らしい物語を無料で読ませてもらっていいのでしょうか…！少し大袈裟かもしれませんが、この作品を世に生み出してくださり本当にありがとうございます！どうかお身体にはお気をつけて！この続きを読める日が来るとことずっと祈っています！ (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - コメント失礼します。ほんの数時間前から読み始めたのですが、とてもとても面白くて時間も忘れて読み続けてしまいました…！二次創作ではなく、小説としか思えないようなクオリティと語彙にとても感銘を受けました…！感情移入しすぎてついつい泣きそうになりました、笑 (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続き)ドキドキしてしまい、本当に自分が会話しているような気分になります！物語への没入感が高く、つい時間を忘れてしまいます！ 図々しいですが、是非また更新していただきたいです！何も知らないですが無理はなさらないように、少なくとも私は心待ちにしています！ (5月21日 12時) (レス) id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 初コメ失礼します！つい一昨日から読み始めたのですが、面白くてスイスイ読み進めてしまいました！主観的な感想ですが書き方がとても自分に合い、その場面場面を想像するのがとても楽しいです！キャラたちの会話もクオリティが高く、読んでいるだけなのに勝手に(続く) (5月21日 12時) (レス) @page13 id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2018年11月28日 22時
