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その晩はAの時と同様歓迎会が開催され、ショッピは先輩“達”に大いに絡まれた。
隣に座るコネシマの大声に言い返し、逆隣から差し出されるゾムの皿を押し戻そうとして見つかり、既に一升空けたロボロとしんぺい神からのお酌に頬を引きつらせ、珍しくゆっくり飲むシャオロンに気遣われて動物の集まりってこんな感じっすよね、と溢した。
今日一日で見た彼を思い返しながら遠目に眺めていると、先程空いたばかりの隣の席にどかりと座る人影に気づく。
「食ってるか？」
『ええまあ。ショッピさんについてですか？』
チラリと視線を向けるとグルッペンは一瞬目を細めたが、すぐに小さく頷いてグラスを傾けた。
「ほぼお前と居たそうだし、見解くらいはな」
『初日なので城内のご案内や挨拶回りが主ですよ。早めに配属を決めて差し上げたい所です』
「あいつの使い所はいろいろありそうだが」
『その通りですが、余計な勘繰りやトラブルを生む必要はないでしょう』
今日歩き回る間に彼に向けられた視線は当然好意的なものばかりではない。
いくらコネシマの後輩で何人かの幹部とも知り合いだったとしても、それまでフリーの情報屋でいた彼がいきなり役職に就くのだから、当然面白くないと思う人間もいる。
組織のしがらみや妬みに敏感だったAだから感じた視線や雰囲気だったが、ショッピも面倒ごとは避けたいだろう。
「ふむ、今の所は誰の下が適任そうだ？」
『経験から言えば鬱先生やロボロさんあたりは間違いないと思いますよ』
昼間寄った警備室、興味深そうにモニターやインカム類を見ていた彼を思い出す。
表情や態度には大幅な変化はなかったが、口数や質問は格段に増え。
城内には実はスパイなんじゃないかと陰口を叩いている者も居るようだが、Aには単純に楽しんでいるようにしか見えなかった。
むしろスパイであればお粗末過ぎるのだが、残念ながらその様子は質問を受けていたロボロと観察していたA、そして同室に居たこの男にしか伝わらず。
「僕んとこかあ、ええけどシッマにどやされんかな？」
「どっから湧いた大先生」
「さっきからおったやろ！節穴が過ぎるわ」
「おん？やんのか？」
『コネシマさんへの許可は必要でしょうか』
「スルーあかんでAちゃん、君しかグルちゃん止められんのやから」
『業務時間外です』
その会話に近くに座っていたエーミールが吹き出す。
数分後には先程までこちらに居た眼鏡の二人に両脇を固められて小さく悲鳴を上げていたが、Aはいつのまにか静かに安全圏へ避難していた。
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りんご - 初めまして。勝手ながら、このお話を読ませて頂きました。丁寧な表現力や語彙力に惹き込まれました。続きを見たいという気持ちと、作者様の健康を優先して欲しいという気持ちでし葛藤しています笑。是非、続きを読めることをたのしみにしています (3月10日 16時) (
レス) id: bdd9411b02 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続きです)こんな素晴らしい物語を無料で読ませてもらっていいのでしょうか…！少し大袈裟かもしれませんが、この作品を世に生み出してくださり本当にありがとうございます！どうかお身体にはお気をつけて！この続きを読める日が来るとことずっと祈っています！ (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - コメント失礼します。ほんの数時間前から読み始めたのですが、とてもとても面白くて時間も忘れて読み続けてしまいました…！二次創作ではなく、小説としか思えないようなクオリティと語彙にとても感銘を受けました…！感情移入しすぎてついつい泣きそうになりました、笑 (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続き)ドキドキしてしまい、本当に自分が会話しているような気分になります！物語への没入感が高く、つい時間を忘れてしまいます！ 図々しいですが、是非また更新していただきたいです！何も知らないですが無理はなさらないように、少なくとも私は心待ちにしています！ (5月21日 12時) (レス) id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 初コメ失礼します！つい一昨日から読み始めたのですが、面白くてスイスイ読み進めてしまいました！主観的な感想ですが書き方がとても自分に合い、その場面場面を想像するのがとても楽しいです！キャラたちの会話もクオリティが高く、読んでいるだけなのに勝手に(続く) (5月21日 12時) (レス) @page13 id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2018年11月28日 22時
