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彼の自室から順番に城内を軽く案内して回る。
多少は把握していたとしてもやはり情報屋時代は堂々と見て回れる程の立場ではなかったのか、所々興味深そうに覗き込むショッピ。
いくつか補足をしつつ歩くが、自分がこの城の案内をするとは今更ながら何とも不思議な気分だ。
「あの、俺一応幹部補佐って聞いてるんすけど、所属ってどうなるんすか？」
『申し訳ないのですがまだ正式に決まっていない状態です。特に希望はないと伺っていますので、適正を考慮の上決定する予定でした』
「へえ、ならアンタの下につく可能性もあるんすね」
『…はい？私ですか？』
きょとんとした顔で振り返るA。
不意を突かれたような彼女の表情にショッピも僅かに首を傾げる。
「え？だって幹部でしょ？」
『ある程度の権限はいただいていますが、幹部ではありませんし直属の部下もいませんよ』
「あれ？…勘違いか…？」
疑問そうなショッピを尻目に、Aはなんとかため息を吐くのを堪えた。
誰が吹き込んだんだ、と考えつつ脳裏には既に眩しい金髪が浮かんでいる。
だって幹部やん！と笑いそうな彼に訂正することを決めつつ、残念っすわ、とぼやく側に話しかけた。
『秘書業務に興味がおありで？』
「いや全然。あの人の秘書とか普通に大変そう」
『ではどうして？』
「噂の元有名外交官の手腕を見たかったんで」
久々に目が合った彼はニヤリと僅かに挑発的な笑みを浮かべる。
「アステールの元第一外交官なんて、あっちこっちのお偉方と繋がっとる上にクソ早い仕事で自国を押し上げた要人やん。俺らみたいなの全然使わんのに相当細かいとこまで把握してたって話やったし」
『どんな認識なのでしょう…。情報屋の方にもお世話になったことはありましたよ』
「駆け出しの頃でしょ？ノーカンっすよ。そんな人が、辞めさせられたとはいえここの厄介な人らとどんな仕事してんのか、単純に興味あります。既に外交や貿易にも影響出とるようやし」
一見プラスにも取れるような言葉だが、当然拉致事件等マイナス面も調べてきているだろう。
元の職業柄互いに人を探るのも探られるのも性ではあるが、Aは動じることなくにこりと笑う。
『私もショッピさんのお仕事ぶりは気になるところですが、ひとまずは身体の調子を整えられた方が良いかと』
「は？」
『明日は手合わせを予定していますので』
聞いてへん…！
しれっと告げられた重要な予定に小さく呻くショッピは、それ以上追求する機会を失ったようで。
実は明日かどうかは彼の先輩の仕事次第なのだが、それについては黙っておくことに決めた。
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りんご - 初めまして。勝手ながら、このお話を読ませて頂きました。丁寧な表現力や語彙力に惹き込まれました。続きを見たいという気持ちと、作者様の健康を優先して欲しいという気持ちでし葛藤しています笑。是非、続きを読めることをたのしみにしています (3月10日 16時) (
レス) id: bdd9411b02 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続きです)こんな素晴らしい物語を無料で読ませてもらっていいのでしょうか…！少し大袈裟かもしれませんが、この作品を世に生み出してくださり本当にありがとうございます！どうかお身体にはお気をつけて！この続きを読める日が来るとことずっと祈っています！ (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - コメント失礼します。ほんの数時間前から読み始めたのですが、とてもとても面白くて時間も忘れて読み続けてしまいました…！二次創作ではなく、小説としか思えないようなクオリティと語彙にとても感銘を受けました…！感情移入しすぎてついつい泣きそうになりました、笑 (12月16日 21時) (レス) id: 9352e86fcf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - (続き)ドキドキしてしまい、本当に自分が会話しているような気分になります！物語への没入感が高く、つい時間を忘れてしまいます！ 図々しいですが、是非また更新していただきたいです！何も知らないですが無理はなさらないように、少なくとも私は心待ちにしています！ (5月21日 12時) (レス) id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 初コメ失礼します！つい一昨日から読み始めたのですが、面白くてスイスイ読み進めてしまいました！主観的な感想ですが書き方がとても自分に合い、その場面場面を想像するのがとても楽しいです！キャラたちの会話もクオリティが高く、読んでいるだけなのに勝手に(続く) (5月21日 12時) (レス) @page13 id: 3f74a2a022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2018年11月28日 22時
