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ロボロと食事をする機会が増えた。
休憩時によく見かけるようになり、エーミールも共に席を囲んだ。
時にひとらんらんの畑を手伝い、暇そうなゾムに収穫を頼んではそういう意味ちゃうと言われながらも三人で作業しながら笑った。
だが、何かが足りない。
それは向こうからやってきたが、顔を合わせてすぐにAは日常に欠けたものを理解した。
「…体調どうなん」
前を歩く背中からぶっきらぼうな声が掛けられる。
午後の日差しが差し込む三階の窓辺は程よく景色を見渡せたが、周囲に人影は見当たらなかった。
『随分回復いたしました。沢山寝ているからですかね。昼寝が大切だと仰っていたのがようやく理解できた気がします』
笑みをこぼしながら答えるが、目の前の背中は相変わらず静かなままだ。
いつもなら、やっとわかったか！くらいの返事は返ってきそうだが、今はとても反応が薄い。
しばしの沈黙、女は静かに次の言葉を待つ。
「…俺や大先生に言いたいこととかないん」
『言いたいことですか？特には…ああ、復帰後には早めに書類を出していただければ幸いです』
「ちゃうわ！あの時のことや！」
振り返って声を荒げる金の髪。
見慣れたスカイブルーの双眸は大声を上げるが、彼女にとってはその声量すら懐かしく感じた。
「俺らがおったら！インカム付けとったら！気緩めて外出なんかせんかったら！グルッペンはやられんかったしAはあんな目に合わんで済んだんやぞ！？」
『そうでしょうか』
「そうやろ！俺、お前に捕まえたるって言うたのに、破ったんやぞ！何で何も言わんのや！そこはもっと責めるとこやろ！」
肩で息をする男を見ながらも、Aの心は凪いでいる。
ロボロと同じか、もしくはそれ以上に思うところがあったのだろう。
だが彼が個人的な口約束を覚えていたことに驚き、同時に少し嬉しく思ったのだ。
『私は自分から向かったのでお二人を責める気はありませんよ』
「なら殴れや！」
『ええ…？嫌です』
「何でなん！」
『コネシマさんも私を責めなかったでしょう。…エーミールさんから伺いました。貴方は今回一人黙して見守って下さったと』
「…俺が口出す権利なかったからな。…別に、お前が無事に戻るんならそれで良かった」
ボソリと呟いた掠れ声。
目を丸くするAを見て、何か言え、とジト目を向ける。
彼らしくない態度だが、目的は見失わない彼らしい意見。
妙な安心感にやはり溢れるのは笑みで。
そして彼女は足りないピースを埋める。
また以前のように話したいというささやかな望みに、今度はコネシマが目を丸くする番だった。
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華凛(プロフ) - 1番最初から読んできましたが、このパートの78話目のgrさんのセリフに思わず胸がきゅんとしました。お体に気をつけて更新してください。楽しみにしてます。 (2019年7月4日 13時) (
レス) id: 1c6f67374d (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - マロウブルーさん» コメントありがとうございます。長いお話ですが気に入っていただけて嬉しいです！まだまだ続きますが、よければ今後もお付き合いいただければ幸いです！ (2018年11月18日 16時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - あぁ…何で綺麗で壮大で素晴らしい話なんでしょうか…あなたが神か…そうか…！いやもう、ずっと憧れです！追い付きたいと思うことすらおこがまし(殴)本当にこの話大好きです！影ながら応援しております…！ (2018年11月17日 23時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - この話が面白いのでシャオロンのファン辞めますさん» コメントありがとうございます。生きがいとまで言っていただけて恐縮です…！更新遅くて申し訳ないですが、今後とも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年9月15日 20時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
この話が面白いのでシャオロンのファン辞めます - 毎回楽しく読ませてもらっております。ぎすメモとともに私の生きがいです。無理せず毎秒投稿してください！(ネタです。すみません。健康に気をつけてください！更新待ってます！) (2018年9月15日 20時) (レス) id: 8c4421707f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年12月1日 22時
