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城内に警戒が伝えられて三週間。
あれ以来何の動きも見られず平和な時間だけが過ぎていき、当初の緊張感などほとんどなくなってしまっていた。
食堂の机に顎を乗せたシャオロンは体重を預けながら気だるそうにぼやく。
「もう尻尾巻いて帰ったんちゃう？全然何もしてこんしさぁ」
向かいに座る鬱が同じく気だるそうに煙草の煙を宙に吐いた。
「そうやないかと思うよ。まあこのパターン今までにもあったしな。想定内やろ」
「ロボロも何も見てへんのやろ？」
「うん、怪しい影とかは特に何も。城内に侵入されたらさすがにわかると思うで」
オレンジジュースを飲みながらそう答えるロボロに二人は更に怠そうに姿勢を崩す。
実際幹部達の半分は現在の状況に飽き始めており、兵達にも見回りの強化を命じてはいても、自分達まで警戒のモチベーションを維持することはほぼ不可能だった。
「まあでも一応ちゃんと見とかんと、何かあったら困るしな」
「真面目かよ。…あ、そういやAは？まだ気ぃ張ってるっぽい？」
思い出したように顔を上げるシャオロン。
彼もAが緊張していたのには気がついていたらしく、しかし自身の任務や彼女の仕事の忙しさから最近話せる機会が少なかった為になかなか直接は聞けずにいた。
軽く首を傾げて尋ねる彼にロボロは最後のジュースを飲みきってから口を開く。
「ああ、なんか前にコネシマと喋ってから少し落ち着いたみたいよ。そういやあいつと笑ってんのちょこちょこ見る気がする」
「は？？」
「ちょ、大先生ガチトーンやめて。てか俺に怒られても困るわ」
引き気味のロボロに構わず、鬱は煙草の火を灰皿へと押し付けた。
口腔内に残っていた煙を訝しそうに吐き出すと、頬杖をついて顔を歪める。
「シッマのくせに生意気な…どうせ“俺がおるから大丈夫！”とかアホみたいなこと言ったんやろ。これだから素人童貞は…」
「関係なくない？」
「ええかシャオロン、確かに女は頼れる力強い男に憧れる。けどそれを自分から言う奴はあかん、ただのイキったガキや。本当に強い男は強さをひけらかしたりせずに溢れ出るオーラで自然と女の心を掴むもんなんや」
「とりあえずお前がシッマを妬んでるのはわかった。概ね同意やけどまずは鏡見て出直してこい」
「シャオちゃん！？裏切り者ぉ！」
無慈悲なシャオロンの言葉に悲鳴を上げる鬱。
ロボロは呆れたようにため息を吐くと、一人そそくさとグラスを片付けて再び仕事部屋へ戻っていった。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
