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書記長室へ戻ってきたAを出迎えたのはトントンだけではなかった。
ソファーに座り、少し機嫌が悪そうに腕と脚を組むのは我らが総統閣下。
光を綺麗に反射する金髪はハーフバックにセットされており、閉じられた瞼を覆うように薄いガラス面に細いシルバーのフレームの眼鏡がかけられている。
白いシャツの首元を締めるのは反対色のネクタイ。
その上からきっちりと着込んだ黒の軍服は最早彼を象徴する物だ。
腕から僅かに覗くのは白手袋、長い脚を優雅に組む姿は威厳に満ち溢れている。
そしてゆっくりと開かれた目には不満の文字がありありと書かれていた。
「…遅い」
『？申し訳ございません、何か御用でしたか？』
「御用も御用だ。A、明日から正式に総統秘書として仕事をしろ」
「はあ？」
『はい？』
トントンの呆れた声とAの疑問の声が重なる。
対するグルッペンは相変わらず腕と脚を組んだままこちらを見据えていた。
『急にどうされたのですか。もうしばらくトントンさんの元で勉強させていただくはずでは』
「既に十分な知識は得ていると聞いている。後は通常業務をこなしながらでも可能だ。本来の業務に早く慣れた方がいいし、俺と一緒に仕事をすることで周囲に総統秘書を印象付けることも必要だろう。好奇の目も多少は減る」
『簡潔にお願いいたします』
「もう秘書はできるから研修は終わりだ」
トントンがため息を吐いた。
ジト目でこちらを見るグルッペンにAの表情が無に変わっていく。
『…もう少し伸ばしていただけませんか。まだ勉強不足な面が目立ちます』
「足りない分は俺が教える。このままだと書記長秘書になるだろう」
『それは申し訳ないので勉強したかったのですが』
「構わん。とにかく明日からだ」
「Aは明日非番なんやけど？」
「む、そうだったか。なら非番明けからでいい」
再び大きくため息を吐いたトントンだが擁護する気はないようだ。
振り回されている彼を見てAは静かに頭を下げる。
『では非番明けからよろしくお願いいたします。…トントンさん、お手隙の際にまたいろいろお伺いしてもよろしいですか？』
「もちろん。遠慮せんでええよ。その代わりにグルさんには厳しめで頼むわ」
「おい」
『承知いたしました』
「おい」
「おん？何か文句でもあんのか？勝手に研修終わらせよって」
「トン氏も優秀だと褒めていただろう」
終わりのなさそうな言い合いが始まり、その光景に今度はAがため息を吐いた。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
