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手始めに聞かれたのは、城の内情と武器の蓄え。
それについてスラスラと述べるA、細かい数や導入日、輸入国やその経路まで答える彼女の情報はやけに具体的だった。
襲撃前にある程度調べていた男の情報と合致したからか、上層部も多少は納得したようだった。
いずれにしても再度調べは入るだろう。
続いて聞かれたのは、売り文句の一つとして述べていた他国について。
Aは先ほどと変わらぬ顔で、同じトーンで次のように述べた。
『アステールは祖国ではありますが、今の上層部はあまり私と関わりたくないかと思いますので、国への協力も脅迫もあまり意味を為さないでしょう。ですが、外交官室には私の元部下が多くいますから、そちらを通して要求を伝えれば、アステールのことでも我々のことでも飲む可能性が高いです』
『マレーネとは長く付き合いましたが、彼らはとても保守的な国です。あまり大きな提案は飲まないでしょうが、自国へのダメージと比べた時にはある程度力を発揮するかと』
『リズについては、過去は親しくしておりましたが、現在は表面上のものとなっております。…私の退官の原因となった故上官とあちらの外務大臣は旧友でした。表面上は抑えてくださってますが、彼は私を恨んでいると思います。内密で聞いてみたらいかがでしょう？』
『グラシエルはあの大国ぶりと絢爛さです。金銭面と周辺国への影響については私からお話するまでもないでしょう。…ああ、あちらの皇太子様も先日我々の総統が原因でご気分を害されてしまいました。リズと特に親しいですから、外務大臣から口添えがあればこちらへの協力もあり得ると思いますよ』
ペラペラと次々に話す彼女、斜め奥で聞いているこちらの外交担当が慌ててメモを取っている。
本当だろうかと疑いの目を向ける者には、どうぞ気の済むまでお調べください、とあっさり告げた。
あまりの暴露ぶりに王はその顔に疑念と共に疑問を浮かべる。
何故こんなにも話すのか、祖国と今の国を捨てる気なのか。
それに対して彼女は困ったように首を傾げた。
『私は力もないただの人間ですし、できれば死にたくはありません。こんな状況で情報漏洩なんて気にしていられるほど余裕はありませんよ』
そう呟く彼女に王は腕を組んで鼻を鳴らす。
未だ値踏みをしているのには変わらないが、先ほどより多少は納得したようだった。
一部始終の光景を離れた位置からただ黙して見つめる一人の男。
彼の視線は変わらずAに注がれていた。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
