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陽光が暖かく、整然と咲く花は緩やかな風に吹かれて揺れている。
朝食を食べてすぐに庭へ出たAは珍しく細身の黒のパンツスーツにいつものシャツとベストといった装いで静かな庭を一人眺めていた。
ふと、こちらへ向かってくる足音と、微かに響く人にしては荒めの息遣い。
顔を上げれば、約束の人物の穏やかな眼差しと目が合った。
「お待たせ」
『いえ、お休みのところありがとうございます』
「休みなのはAもじゃん。それに俺が誘ったんだし、気にしないで」
そう笑うひとらんらんは傍らに馬を侍らせ、しっかりとその手に手綱を握っている。
彼の服と同じ白の愛馬を見上げると、巨体とは裏腹につぶらで愛らしい瞳を発見した。
外道丸と紹介された彼は微かに蹄を鳴らすが、その迫力にAの顔が不安げな色に染まっていく。
『…あの、私本当に乗ったことがないんです。大丈夫でしょうか？』
「俺がちゃんと手綱引くから心配しなくていいよ」
以前動物に興味を示したAに乗馬を勧めたのはひとらんらん自身だった。
Aも笑顔で快諾したのだが、ひよこの件以来全く動物に触れていないせいでどこか少し臆病になっている。
おっかなびっくり乗せてもらえば、すぐに彼はゆっくりと手綱を引いて庭を散歩し始めた。
『あ、わ、大丈夫ですか？これ大丈夫ですか…！？』
「はは、大丈夫大丈夫。背筋伸ばして、まっすぐ前見て」
『こうですか…？』
「そうそう」
時折Aの様子を見上げながらゆったり進むひとらんらん。
過去の外交時や日々の秘書業務時はあんなにきっちりとしていて頼れる彼女がこうも崩れるとは。
いい意味でのギャップに笑いながら、しかし軍や仕事関係以外で話す機会が他の幹部ほど多くなかった彼にこの姿はそれなりに衝撃を与えていた。
動物の扱いにあまりにも慣れていなさすぎることから飛躍して、いかに仕事だけで生きてきたのかを想像してしまったくらいだ。
しかし興味を持ってくれたことは素直に嬉しいので、普段から癖の強い幹部達の相手をしてくれていることの息抜きにでもなればいい。
今日はそんな些細な、彼の感謝も含めた誘いだった。
「あれ、もう形になってるじゃん。早いね」
『教わった通りにしていただけなのですが…』
「じゃあ要領がいいんだな。どう？馬から見る景色。また違うでしょ」
『はい、いつもより視点が高くて新鮮です』
嬉しそうに笑うA。
ひとらんらんもマスク越しに笑みを浮かべてそのまま次の予定を口にした。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
