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いつも通り仕事をしているとオスマンから通信が入る。
それに答えて応接室へ向かえば、丁度本人が出てきたところに出くわした。
ごゆっくり、と笑う彼は優しい笑みを浮かべていて、それに頭を下げて応接室の扉を開ければ、
「っ、A外交官！」
「ああ、来てくださったんですね…お久しぶりです」
勢いよく立ち上がった元第二外交官。
やわらかい口調で、しかしその顔に喜色を滲ませて立ち上がるのはAの元補佐官。
なんだか懐かしく感じる顔に、Aも嬉しそうに笑みを浮かべた。
『久しぶり、会談お疲れ様。座って。客人なんだし』
「はっ、失礼いたします」
『第一外交官は相変わらずだね。補佐官、じゃないや、今は第二外交官だっけ？』
「そうとも言いますが、できれば変わらず補佐官と呼んでいただきたいです」
「私も第二外交官で構いません」
『ええ？』
困惑したように聞き返すA。
しかし彼らはまっすぐに彼女を見つめる。
「私にとってはいつまでもA外交官がアステールの第一外交官です。例え今は自分がこの立場についていたとしても、それは変わりません」
『…あのね、嬉しいけど、私はもう外交官じゃないし、アステールには帰れないの。ここから追い出されて向こうが迎えてくれない限りは』
「…戻ってきては下さらないと」
『難しいね。どっちにしろ今更あの中佐の下で働く気はないかな』
そう言うと二人は少しだけ顔を曇らせる。
第一外交官は特にしんどそうな顔をしており、正直同情したくなった。
「それでも、私は貴女の補佐官であったことを誇りに思っています。ですから、せめてお話する時は以前のように呼んで下さいませんか？」
「…私にとっては、貴女はいつまでも私の目標であり尊敬する上官なんです。どうか以前の役職で呼ぶことをお許し下さい。そして私のことは第二外交官と呼んではいただけませんか」
真摯な目で懇願する二人にAは言葉を詰まらせる。
基本的に真面目な彼らがこういう申し出をすること自体珍しいのだ。
こんなにも自分のことを慕ってくれていたとは。
もう軍も辞めて祖国を離れたのに未だそう言ってくれるとは。
本当に、自分にはもったいないくらいの部下だった。
そして自分も例外なく、懐に入れた者には弱いらしい。
『…わかった。けど時と場合によるからね』
「ありがとうございます」
「これで心置きなくA外交官と呼べます」
さすがAが育てた部下というべきか。
彼らも案外強かだった。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
