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『…総統閣下』
あえて役職で呼びかける。
グルッペンは眉間に皺を寄せて腕を組んだまま顔を逸らした。
『…グルッペン様』
「グルッペン。嫌ならグルさんかグルちゃんでもいい」
いつものように呼ぶと反応はしたがすぐに訂正が入る。
せっかくまとまりかけたのに、とAは小さくため息を吐いた。
『なりません、グルッペン様』
「…何故だ」
『理由は先程申し上げました』
「俺だけ様付けなのは納得いかない」
ロボロ達をさん付けにした弊害がここで出た。
完全に拗ねている様子である。
『貴方は国のトップです。そして私は貴方の秘書なので、他の方はともかく貴方とは完全に上下関係にあります。ですからこれ以上はこちらも譲れません』
「……」
『お心遣いは感謝します。言いたいことを言っていいとおっしゃったことも。ですのでこちらも遠慮はしませんから、呼び方についてはご容赦下さい』
「……」
『…言いなりになる秘書がいいなら外していただいて結構ですよ？その際は書記長秘書にでもして下さい』
「え！？」
急に巻き込まれたトントンが驚きの声を上げる。
グルッペンは声こそ上げなかったものの目を大きく開いてAを見た。
『いかがいたしますか？トントンさんがお嫌なら、そうですね…オスマンさんか兄さんの所でも構いませんが』
「えっ、えっ？」
「俺は別にええけど」
「ふふ、嬉しいなぁ。もちろんこっちでもええよー！」
未だ状況が飲みこめていないトントンとは逆に、Aの意図を察した兄さんとオスマンは互いに目を合わせて同意する。
当然この状況ではグルッペンもただ黙っている訳にはいかなくなったようで、彼女の思惑通り口を開いた。
「…駄目だ、お前は総統秘書として雇ったんだ。他へやる気はない」
『ではこれまで通りでよろしいですか？』
「それとこれとは別だ」
『いいえ。そして私の性格は事前にお伝えしてあったはずですが』
「ぐぬぬぬ…」
『…ではひとまずはこれまで通りという形にして下さい。そのうち貴方にナメた口をきけるくらいの発言権と権力と信頼と実績を軍内部で得ることができたら態度も崩しますので』
果たして何年かかるかわからない条件。
しかし彼はピクリと反応してAを見る。
「…言ったな？」
『はい』
「訂正はないな？」
『女に二言はありません』
ハッキリと言い切ったAにようやくグルッペンも了承する。
Aの方がよっぽどかっこいいじゃん、というひとらんらんの呟きには誰もが頷いて同意した。
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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます！ (2019年5月10日 23時) (
レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです！ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…！？まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…！お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年5月24日 22時
