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部下を探して城内を歩く。
帰る為の準備や馬車の手配、挨拶回りもしなければならない。
早めに見つけられればいいが、と考えていると廊下の先に部下とは違うが見知った顔を見つけた。
『エーミール様』
「やあ、Aさん」
片手に本を持ったエーミールはにこやかな笑顔でこちらへ向き直った。
こうして見ると教職っぽさがより引き立つ。
「お身体の具合はいかがですか？しんぺい神じゃないですが、あまり無理はされないように」
『お気遣いありがとうございます。それと先程決まったのですが、明日の朝祖国へ戻ることになりました』
Aがそう告げるとエーミールは目を丸くした。
「おや、それはまた急に…何かあったのですか？」
理解が早くて助かる。
先程の経緯を簡単に説明すれば納得したように頷いた。
「そうでしたか…お立場としては不安でしょう。もう少しお話ししたかったですが、仕方ないですね。道中何もないといいのですが」
眉を下げて言うエーミール。
とても理想的な反応だ、Aが求めていたのはこれである。
総統室に残してきた面々を思い返して苦笑を浮かべた。
『私もエーミール様のお話を伺ってみたかったです。今度お会いした時は是非いろいろとご教授願いたいですね』
「それは嬉しいですね、ではその時は特別講義を開きましょうか」
『ふふ、ご迷惑でなければお願いいたします』
にこやかに笑って別れる。
皆こうだといいのだが。
そこまで考えて一つ疑問が生まれた。
何故先程は引き止められたのだろう。
いくら付き合いがあると言っても、普通は他国の外交官達をいつまでも城に置いて置きたくはないはずだ。
今の好待遇はこれまでの外交の成果だとオスマンは言っていたが、それでも引き止める理由にはならないだろうに。
「え、A帰るん！？なんでや！」
「コネシマ、さっき言うとったやろ。あんま騒がんでやり」
「何で兄さんはそんなに聞き分けいいん！」
「ええー、寂しいわー。Aちゃんおらんくなったらまた男だらけでむさ苦しいやん」
「お前ほんまにクズやな。でも俺も寂しいなぁ。また一緒にアイス食いに行こ思ってたのに」
「Aちゃん、戻っても仕事しすぎたらあかんよ。ちゃんと食べてちゃんと寝てね」
「ぺ神心配しすぎちゃう？さすがに大丈夫やろ」
「ロボロはわかってないなぁ。この子絶対トントンタイプやで」
「え、ほんま！？」
帰還の旨を伝えても相変わらず皆好意的だった。
挨拶回りをしたAが戸惑うくらいには。
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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます！ (2019年5月10日 23時) (
レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです！ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…！？まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…！お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年5月24日 22時
