【wrwrd!】とある社畜外交官の憂鬱

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身支度を整えながら部屋の時計を見る。
九時を回っている、いつもならとっくに仕事をしている時間だ。
部下も居るのに示しがつかない、とにかく言い訳せずに謝り倒して挽回しなければ。
そう意気込んで食堂へ向かったのだが。


「Aちゃんおはようー。もっと寝とって良かったのに」

しんぺい神にそう言われ、

「え？別に普通やろ。寝坊って程やないで」
「せやな。コネシマなんか昼過ぎまで寝とったりするからな」
「眠いんやからしゃあないやろ！てかAは逆に寝足りたん？」

コネシマとシャオロンには不思議がられ、

「トントン前に電池切れて夕方まで寝とったことあったよな。あれより全然マシやろ」
「ゾムさん？なにバラしてくれてんねん」

Aが一方的に社畜仲間だと思っているトントンの過去の話を聞かされた。
思ったより好意的で逆に戸惑っている。
どういうことだ、もっと嫌味を言われてもおかしくないのに。
ついでに誰もグルッペンが起こしに来た件について言及しない。
ということはまたこの人は独断行動したのか？
疑問符だらけでいると後ろからやってきたオスマンがにこりと笑った。

「言ったやろ？皆心配してたって」
『オスマンさん…』
「部下の子二人ちょお預かっとるけど、うちの奴が面倒見とるから安心して。あとちょっとだけ戦況の話したいんやけど、そんな長くないから朝飯食いながら聞いてもらってもええかな？」

謝る隙を与えずに仕事の話に切り替える。
本当に彼には敵わない。
一つ息を吐いてAはオスマンを見上げる。


『お願いいたします。…私はいつになったらオスマンさんを超えられるのでしょうね』
「俺がAちゃんを超える側なんやけどなぁ。今の時点でようやく五分五分やと思うし。あ、ならいっそ俺らが組んだら最強ちゃう？」

ウインク混じりに言うオスマンに、Aも確かにと笑いを零す。
いつの間に食堂に居たのか、それを聞いていたグルッペンが苦笑を浮かべながら口を開いた。


「お前達が組むこと程怖いものはないな」
「えー？ええ案やろ？」
「確かに心強いが、俺の個人的な楽しみが無くなる」
「うわ、まーたAちゃんのこといじめようとしてんのか。嫌やわぁ」
「おい待て！人聞きの悪いことを言うな」

飄々とからかうオスマンに少しだけ慌てた様子のグルッペン、そして便乗しだす幹部達。
相変わらず仲が良いなと月並みな感想を抱きながら、周りの騒がしさを無視して椅子を勧めてくれたロボロへこっそりと礼を述べた。

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