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朝食を食べながら向かい側に座るオスマンの話を聞く。
手元に紅茶だけを置いた彼が話すマレーネとシャスティアの戦況は大体昨日の部下の報告とAの予想通りだった。
このままマレーネが押し返せなければ自国も少なからず関わる羽目にはなるのだろう。
個人的にはこの戦争にはあまり介入したくないのだが。
Aの隣では同じく紅茶を飲みながら話を聞くグルッペン。
そしてオスマンの隣で神妙な顔をしているトントン。
首脳陣に囲まれている状況、外交官としてはありえなくもないが自分一人だけ朝食を食べている状況は何とも居づらい。
そんな場違いなことを考えながら聞いていると、この真面目な空気を壊す一言を携えて食堂へやって来た人物が居た。
「あ、Aちゃんおはよう。今日さ、街行くの午後からでええかな？」
煙草の箱を片手に堂々と入室してきた鬱は初めに視界に入ったAに声を掛け、その後室内のメンバーを見て一瞬固まる。
そして彼の表情はすぐに苦笑いへと変わっていった。
「え、えーとすまん、会議中、やったかな…？」
「おう、でももう終わるからええわ。それより大先生、今のどういうことやねん」
明らかに黒いオーラを纏いながら聞くトントンに鬱が小さく悲鳴を上げる。
もしやまだ許可を取っていなかったのだろうか。
「お前まさかAさんにナンパとかしてるんちゃうやろな…？」
「ほう？」
「ちゃいますぅ！してへんってそんなん！何でグルちゃんまでそんな目で見るん！？僕はただ一緒に足らん物買いに行こって言っただけで！」
必死に弁明する鬱が縋るような目でこちらを見てくる。
事実なので素直に頷けば、トントンは何かを考え込むように唸ってしまった。
「本人やないと買えん物もあるやろ？でも一人で歩かせたら危ないやん！」
「まあ一理あるな」
「さすがマンちゃん！ほな午後からAちゃん借りてええ？」
「いや、でもお前と行かせんのは何となく不安や」
「わかった、じゃあこうしよう。俺もついていく。それなら問題ない」
またややこしいことを言い始めたぞこの総統。
案の定トントンが頭を抱える。
「アホか！あんたが行くのはそれはそれで問題あるやろ！」
「何故だ、大先生と二人きりではなくなるしいいだろう。そもそもAは客人、言わば国賓だ。俺自身がもてなさないとな」
「自分の立場考えろや！それにあんたまだ書類山程あんねんぞ！」
なるほど、要は仕事から抜け出したいだけか。
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ゆう - メンバー同士の掛け合いもリアルでテンポよく、話の構成もしっかりしていてとても読み応えがあり面白いです！言葉の選び方や設定まで凄く丁寧で尊敬します。小説として面白く、それでいて『リアル』を崩す事なく描かれていて凄いと思いました。 (2019年8月4日 23時) (
レス) id: 7c238edc15 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - もちえもんさん» コメントありがとうございます。沢山のお褒めの言葉、嬉しいです！書きやすい方と掴みきれていない方でどうしても差が出てしまうのですが、なるべくいろんな方と絡めるように頑張ります。 (2017年5月18日 2時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 恋愛一色ではないのにこんなに好きになった小説は初めてです。メンバーと仲良くなっていく過程が早すぎず、自然で素晴らしいです！キャラが掴めていて、言葉遣いが上手で尊敬します。今後とも楽しみにしておりますm(_ _)m (2017年5月17日 23時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 那月さん» コメントありがとうございます。読みやすいですか…！ありがとうございます！話の進みは遅いですがよかったら今後とも見ていただけると嬉しいです。更新も頑張ります！ (2017年5月16日 13時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
那月 - 夢主ちゃん苦労人ですね；´｀文面もきちんとしていてとても読みやすく、面白いです…!!昔ほど酷くないですが未だにやや男尊女卑の所があるのでそこも共感して読めます。これからどのように夢主ちゃんが戦っていくのかとても気になります。更新頑張ってください(*´-`) (2017年5月16日 3時) (レス) id: 329c4228b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年4月30日 2時
