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「 美味しいかな ? ｣
「 うん ､ 迚も ｡ 此処には
「 … 実は ､ラネーヴェ嬢が来る事知ったから ､ ｣
桃色のマカロンを頬張ったラネーヴェは恥ずかしそうに視線を逸らしたディオニューソスを見詰めた ｡
ディオニューソスは ″ 何か俺恥ずかしい事言ってる ″ と珈琲を嗜んだ ｡
暫くして可笑しそうに笑ったラネーヴェは ″ 有難う ″ と上目遣いに言った ｡
ディオニューソスは ″ うぅ ″ と唸り乍ら ､ 密かにではあるが ､ ラネーヴェの可愛さに悶えた ｡
「 そう言えば ､ ディオ ｡ 私の幼馴染みがね ､ 憲兵団に入りたいって ｣
「 嗚呼 … マルコくん ､ だっけ ? ｣
「 そうだよ ｡ ″ 王に仕える事が出来るのは光栄な事 ″だって ､ 教えてくれたの ｣
二杯目の紅茶を啜り ､ マカロンを頬張ったラネーヴェは
面識の無いディオニューソスだが ､ ラネーヴェの話を聞いていれば ､ 大体の人物像は掴める ｡
幾杯目の紅茶と珈琲が空になった頃 ､ 時計が示す文字盤は夕暮れ時を指していた ｡
愛想良く ″ ご馳走様 ″ と言ったディオニューソスが扉に手を掛ける−−−ラネーヴェは其れを制した ｡
「 ラネーヴェ嬢 … ? 如何したの ? ｣
「 開けちゃ ､ ダメだよ ｣
「 其れは如何いう ､ ｣
真剣な眼差しを受けたディオニューソスが言葉を紡ぐ其の時−−−衝撃音が響き渡った ｡
続け様に複数の地鳴りが
灰色の地を汚し−−−鮮血が宙を舞い ､ 其れを呆然と立ち竦み乍ら ､ 眺めるラネーヴェがいた ｡
ディオニューソスは唇を横に結ぶとラネーヴェの手を繋ぐが ､ ″ 叔父様と叔母様がｯ ″ と振り払われた ｡
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作者名：花詠 x他1人 | 作成日時：2020年9月18日 18時
