- ページ22
.
盃に唇を添え ､ ゆっくりと酒を喉に流し込んだ ｡ 隣席で困惑顔のマルコを横目で窺い ､ ″ 揺れてるのだね ″ と僅かに笑みを浮かべた ｡ 其れは繕った
「 エレンの言う事は尤もだと思う ｡ けど ､ ｣
「 私は ､ 調査兵団に入る ｣
「「 え … ? ! 」｣
「 何故キルシくん迄 … まあ ､ 良い ｡ 嘘さ ､ マルコ ｣
唇を艶めかしく舐めたラネーヴェは ″ 冗談だ ″ と眉を�� へ �瓩了�に曲げ ､ 頬杖をついた ｡
吃驚した様子のマルコは ″ 突然何を言うんだ ″ と唖然の表情で訝しげに見詰めた ｡
「 今は冗談言ってる場合じゃ … ｣
「 君が憲兵団に行くのなら ､ 私も憲兵団に行く ｡ 君が調査兵になりたいのなら ､ 私もそうする ｣
「 … ラネーヴェは ､ 僕の為に命を
戸惑いの表情をするマルコの髪を撫で ､ 指を滑らせたラネーヴェは ″ さあ ″ と態とらしく言った ｡
不満顔のマルコに苦笑し ､ ラネーヴェは左隣のジャンに視線を向け ､ ″ 拗ねてんのかい ? ″ と問う ｡
「 … 憲兵団行かねぇの ? ｣
「 おや ､ そうは言ってないさ ｣
「 マルコの返答次第って ､ 言ったじゃねぇかよ ｣
「 … 寂しいのかい ? ｣
「 ちｯげぇよ ! ! ! ｣
盃を机に叩き置いたジャンは ″ 卒業しても ､ 一緒だと思ってたんだよ ″ と眼を逸らした ｡
一瞬にして ″ ? ″ が浮かんだラネーヴェは可笑しそうに笑い ､ ″ キルシくん ､ 可愛い ″ と言った ｡
「 可愛くねぇよ ! ! ｣
「 否定するのも
上機嫌のラネーヴェは ″ 照れてるのだね ″ と尚揶揄い乍ら ､ 見惚れるような可愛いらしい笑顔を見せた ｡
怒りを絆されたジャンと不意打ちを受けたマルコは ､ 其の笑顔に恍惚と見詰めた ｡
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花詠 x他1人 | 作成日時：2020年9月18日 18時
