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賑わいの轟く宴会舎には ､ 甲高い盃の音が幾つか鳴り響き ､ 祝福
亜麻色の盃を唇に付け ､ 祝いの酒を呷ったラネーヴェは白い指を髪に搦め ､ マルコに凭れた ｡
「 憲兵団に入らないって … 本気なのか ､ エレン ｣
「 折角上位十人に入ったのに … ｣
「 最初から決めてた事だ ｡ 俺が訓練してたのは内地で暮らす為じゃ無い ｡ 巨人と戦う為なんだからな ｣
意志の強い瞳をしたエレンは ､ 幾人もの同期達の眼を射貫くように見詰め ､ ″ 調査兵になる ″ と言った ｡
対話していたトーマスは ″ 勝てるわけ無い ! ″ と焦燥を滲ませた表情で言い ､ 周りを気にした ｡
過去の実績を語った後 ､ ″ 人類は巨人に勝てない ″ と結論付け ､ 俯いて沈黙を貫いた ｡
だが ､ 其処で食い下がらず ､ ″ 其れで ″ と問い掛けるのがエレンという男であるのを忘れてはいけない ｡
「 ″ 勝てない ″ と思うから諦めるのか ? 確かに此処迄人類は敗北してきた … ! ! 其れは巨人に対して ､ 無知だったからだ ｣
ーーー誰かが唾を飲んだ ｡
「 巨人に対して ､ 物量戦は意味が無い ｡ 負けはしたが戦いで得た情報は確実に次の希望に繋がる ｣
ーーー神妙な表情が俯いた ｡
「 俺達は何十万の犠牲で得た戦術の発達を放棄して ､ 大人しく巨人の餌になるのか ? ! 冗談だろ … ｣
ーーー翠眼に光が宿った ｡
「 俺は … 巨人を一匹残らず駆逐して ､ 狭い壁の中を出る ｡ 之が俺の夢だｯ ｣
ーーー瞳に涙が浮かんだ ｡
賑わいを取り戻した宴会舎は ″ 所属兵団は如何する ″ という話題が飛び交っていた ｡
ラネーヴェは項垂れるジャンの隣に座り ､ 呆然とした様子のマルコを ( 強制的に ) 隣を促した ｡
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作者名：花詠 x他1人 | 作成日時：2020年9月18日 18時
