道化の華は笑む (ページ20)

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845 年

闇に灯された焚火は爛々と揺らめき､訓練兵団を卒業する兵士達の瞳も燃えていた｡
先導する数名の兵士の表情は堅いが､堂々とした姿勢はまさに成績上位者に相応しかった｡

「心臓を捧げよ ! ! ｣

教官の言葉を合図に､訓練兵の右拳が左胸の心臓部へと宛てがわれ､ ″ はｯ ″ と清廉された声が響く｡
満足気に頷きを見せた教官達は黙って其の成長した姿を眼に焼き付け､厳しい顔で見据えた｡

「本日をもって､訓練兵を卒業する諸君らには三つの選択肢がある｡

ーーー壁の強化に務め､各町を守る駐屯兵団
ーーー犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む調査兵団

そして
ーーー王の元で民を統制､秩序を守る憲兵団

無論 ! ! 憲兵団を希望できるのは､先程発表した成績上位十名－－－其れから､歴代総首席者だけだ ! ｣

歴代総首席
ーーーラネーヴェ･ヘル

首席
ーーーミカサ･アッカーマン

次席
ーーーライナー･ブラウン

三番
ーーーベルトルト･フーバー

四番
ーーーアニ･レオンハート

五番
ーーーエレン･イェーガー

六番
ーーージャン･キルシュタイン

七番
ーーーマルコ･ボット

八番
ーーーコニー･スプリンガー

九番
ーーーサシャ･ブラウス

十番
ーーークリスタ･レンズ

白い撫子の花弁が疾風に揺られ－－－讃えられるべき〝勇敢〟を表すような姿を描く｡賑わいの宴会舎にカラン(､､､)と盃が鳴った｡

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