二千年後の君へ ページ2
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« 序章 »
彼は言った ｡
″ 生きろ ″
と ｡
亦言った ｡
″ 全てを滅ぼせ ″
と ｡
碧眼が揺れる ｡
″ 終焉の為に ″
幼女が言った ｡
″ 此の世は残酷さ ″
少女が言った ｡
幼き二人は嗤った ｡
♢♢♢♢♢♢
蝶羽根模様の装飾が血濡れ ､
軈て
心優しい彼女は曖昧に笑む ｡
銀唐草模様の煙管が血濡れ ､
軈て
物柔らかな彼も曖昧に笑む ｡
″ ____________ ″
少女を見詰め ､ そう言った ｡
苺水晶の装飾が涙を伝わせ ､
軈て
血濡れ姿で扉に消えて嗤う ｡
♢♢♢♢♢♢
青色の
罪の無い花を穢し−−−其の清淨さに
「 泣いているのですか ? ラネーヴェ ｣
「 え … ? ｣
「 何か悲しい夢でも見たのかい ? ｣
永い夢を見ていた ｡ 金盞花の花畑に寝かされ ､ 伊吹を吹きかけたのも−−−全て夢だった … ?
ラネーヴェの白い柔肌が汗に滲み ､ 胸が激しい動悸に摩擦音を立てていた ｡
「 否 … 思い出せ無い ｣
「 … そうかい ｡ おや ､ もう時間だよ ｣
「 ほら ､ 此方においで ｣
暖かな其の抱擁に伴い ､ 胸の痛みは薄れていく ｡ 唯 ､ 時折僅かに感じる跳ねるような脈には気付かないフリをした ｡
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作者名：花詠 x他1人 | 作成日時：2020年9月18日 18時
