初めまし天使 ページ6
オレが黙り込んだのが不安になったのか、ちびは白いワンピースのスカートをぎゅっと両手で掴んで不安気な色を浮かべる
『…えと、きばなさん？』
「ん？なんだ？」
返事をすると俯きがちにオレをじっと見つめ『さっきみんなが言ってたけど、なまえ…？』と聞いて来た
キバナってお前の名前なのかって事か？
オレ？と自分に向けて指を差すと、こくん。と頷いた
まさかオレさまの事を知らないとは他所の地方から来たのか？それかよっぽどの無知で家にテレビが無いのか…？
このガラルでオレさまを知らないなんて事はないと思うんだが…オレもまだまだ自惚れていたのだろうか
「おう！オレさまがキバナだ！覚えとけよ」
取り敢えずモヤモヤしたのでちびの頭をわしゃわしゃっと撫でるフリをして乱してやった
すると、声を上げて子どもらしくきゃっきゃと笑う
「オマエの探し物。見つかると良いな」
『うん！』
軽い腹いせでしたイタズラのつもりが気を良くしたのか、さっきまで遠慮がちだった様子は吹き飛び
ぱあっと花が咲くような満面の笑みで頷いた
「まあ、オレさまもそれっぽいの見かけたら教えてやるよ」
『わぁっ ありがとうキバナさん！』
喜びを表現しているのか ちびはその場でぴょんぴょんと跳ねると、２つに結ってある髪が揺れる度にやはりヌメルゴンを彷彿とさせる
普段なら何もおかしくはないはずなのに、今は何故かそれがおかしくて思わず「ぷ…っ」と噴きだしてしまった
『？』
◇◆◇◆◇◆◇
「じゃあな。オレさまはそろそろ行くけどオマエも遅くならない内に帰れよ」
『うんっ！ありがとうキバナさん！』
「おう」
別れの挨拶にぶんぶんと手を振るちびに、緩く振り返すと嬉しそうに笑った
んだよ。噂になってるって言うからどんなスゲーのがいるのかと思ったら容姿は兎も角として 見ている限りでは普通の子どもじゃねえか
まぁ、持っている空気が何となく不思議な雰囲気ではあるが
ペタペタと走り去る後ろ姿を見送りながら、ふぅと息をついたところで、ある点に気付きギョッとする
「……あっ！アイツ裸足じゃねえか！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛っち(プロフ) - 天使の主人公ちゃんとキバナさんとのやり取りがホッコリします！次の更新頑張ってください‼️ (2022年4月24日 16時) (
レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＲＵＰＡＫＡ - 夢主ちゃんには幸せになってほすぃ… (2020年1月29日 22時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
sk - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年1月28日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流衣 | 作成日時：2020年1月4日 1時
