ホテルスボミーイン ページ22
「着いたぞ」
そう言ってキバナさんが立ち止まったのは一つの建物の前だった
『……ここ？』
ここにAが寝るとこがあるの？
『あ、あそこにも何かかいてある』
今まで見たのとまた違うけどこれも文字だよねきっと。えっとナックルシティと、この街に来た時に見た看板は確か…えんざん？じゃなかった
えっと…エンジンシティ、だったかな？
これにはなんて書いてあるんだろう？
『この文字はなんて書いてあるの？』
「ん？これはスボミーインって読むんだ」
すぼみーいん？どういう意味？
聞いてみてもナゾは深まるばかりだった
「ホテルな」
『…ほてるな？』
そのままマネすれば「最後の"な"はいらねえよ」って笑われた
ホテル？
そう聞けば、お金を払って寝泊りするところだって教えてくれた。そっかお金だ！お買い物する時に欲しい物とお金を交換すれば買えるって言ってたんだ。
どの道お金は、A持ってないや
「普通はこう言う所で寝るんだ。外は寝るとこじゃねえし、ましてやワイルドエリアなんて論外だからな」
分かったか？と顔を覗き込んでくる
ちゃんとは分からなかったけれど、雰囲気でこくりと頷けばキバナさんも、よし。と頷いた
会話が終わった所でキバナさんが中に入ろうと促す
中に入ると片手で数えられる位の人数がいて、みんなそれぞれお話しをしていたり、一人でいる人もいた
ねぇ、キバナさん。と声を発した瞬間
その場の人達が一斉にA達を見てざわめき出した
あれ？さっきまであの人達楽しそうにお話してたのに
『…？』
急にどうしたんだろう
聞けば分かるかなと思ったけど
キバナさんは気にするどころか見てさえいなかった。Aが変なの？気にしすぎかな
でも絶対こっち見てる…
不思議な頭の人と何かお話をしているキバナさんの姿を視界の端に捉えつつ周りの様子を伺っていたら「こっちに来い」と手招きされた
呼ばれるままに側にくれば右手で何かしているところだった。聞こえてくるのはサラサラと流れる音と擦れるような音
覗こうにも目の前の壁が高すぎてこれじゃあ見えないよ。背伸びをしてみてもギリギリ見えない
『うー、何してるの？』
「ちょっと待ってろ。すぐ済むから」
『？』
何がすぐ済むんだろう？
「はい。かしこまりました。ではこちらがルームキーです」
渡されたキラリと光る何かを受け取ると
キバナさんはそのまま周りなんて気にするそぶりもなく奥へ歩き出した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛っち(プロフ) - 天使の主人公ちゃんとキバナさんとのやり取りがホッコリします！次の更新頑張ってください‼️ (2022年4月24日 16時) (
レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＲＵＰＡＫＡ - 夢主ちゃんには幸せになってほすぃ… (2020年1月29日 22時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
sk - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年1月28日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流衣 | 作成日時：2020年1月4日 1時
