衝撃的事実 ページ9
「…か、帰れないってなんでだ？」
予想だにしなかった言葉に一瞬反応が出来なかった
いつもなら、そろそろ帰れよ。と言えば一つ返事で笑って別れていたので尚更だった
当の本人は所在なさげに自分の足元を見詰める
目を伏せ、小さな手でスカートをぎゅっと握りしめた
泣き出すのかと思えば、そうでもなく
くん、とオレを見上げた
瞳は曇った色を湛えたまま
『あのね』と一呼吸置く
『探し物、見つけないとA おうち帰れないの』
そう言ってまた俯いてしまった
なるほど、それほど大事な物だから探し回ってんのか。
「けどなオマエ。そんなこと言ったって見つかんねーもんは仕方ねえだろ」
また明日探せばいい。だから今日はもう送ってやるから。な？と悟すもAは困った表情を浮かべるだけだった
オレだって今日凹んでんだぞ。と内心ごちるも、コイツに言ったって負けた結果は変わらない
目の前のチビは煮え切らない態度のまま
オレはどうしたものかと頭を掻く
「…あー。けどよ、オマエ何日も探してんだろ？家帰れないっつったって帰ってないってことはないだろ」
『帰ってないよ』
オマエ…それにはあっさりと返事すんのかよ！
送ってやると言えば渋ってたくせに…
全く子どもっつうのは切り替えが早いものだ
何となくムッとして頬をぶにっと潰してやれば
次第に明るい顔を見せだす
ダメだコイツ何しても喜ぶな…
「ならどこで寝てんだよ」
『あっち！ここのお外出たとこの木の下で寝てるよ』
Aは正門を指してそう笑う
さっきまでもう少しで泣きそうな顔してたくせに
すっかり笑顔に変わってやがるし
ていや待て…
ここの外、って…
ワイルドエリアか！？
「はあ！？オマエ一人でか？バッカあぶねえだろ！！」
いや、嘘だろオマエの親
相当スパルタじゃんかよ！
普通ワイルドエリアに子どもほっぽり出すか！？
あまりに衝撃的過ぎて言葉を失っていると、Aが『キバナさん、キバナさん』と名前を呼ぶ
『あぶないってどうしてあぶないの？』
「おーまーえーなぁー…」
いつも質問してくる様な調子で聞いてくるバカに「どうしてって野生のポケモンがいるだろ！」と いかに外が危ないかを説明しても『でもっ もふもふだよ！あったかいよ！』と身振り手振りでワケの分からない事をのたまう
いや、いやいや…何にも知らねえのかってくらい無知だなとは思ってたがコレはもう次元が違うとしか言いようがない
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愛っち(プロフ) - 天使の主人公ちゃんとキバナさんとのやり取りがホッコリします！次の更新頑張ってください‼️ (2022年4月24日 16時) (
レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＲＵＰＡＫＡ - 夢主ちゃんには幸せになってほすぃ… (2020年1月29日 22時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
sk - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年1月28日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流衣 | 作成日時：2020年1月4日 1時
