燈台守の老夫婦 2 ページ8
「いつも2人だけなので賑やかな食事は嬉しいとさ」
「家族は他にいないの？」
「あの写真は娘か？」
鯉登少尉が指を差した方向へ視線を向ければ、そこには一人の女性の写真が立てかけられていた。
すると、老夫婦は悲しそうな表情をする。どうしたんだ、と杉元さんが尋ねると月島軍曹が通訳する。
何でも、日露戦争前から燈台守として親子3人はここで穏やかに暮らしてた。しかしある日、ロシア軍の脱走兵が現れた、その脱走兵は大切なひとり娘を連れ去ってしまった。
軍や政府も非協力的であり、ますます行方がわからなかった。
やがて日露戦争に差し掛かった頃、軍には日本軍の手に渡らないように破壊しろと言われていたそうだが、夫婦は、指示に従わなかった。そしてそのまま日本軍に引き渡したが不要となり、再び夫婦の物となった。それ以降、老夫婦はこの燈台でずっと娘の帰りを待っているのだという。
「………」
その話を聞いて、少しだけ、羨ましいと思ってしまった。
きっと娘さんは、連れ去られたのではなく自ら付いていったのかもしれない。私には、それができなかったから。それに、娘がいなくなって母親が悲しんでくれるも、普通の感覚なのだろう。
私には、それがないから、わからないけれど。
「娘さんのお名前は…なんと言うのでしょうか」
私がそう聞くと、老婦人は目を細め、悲しそうに私と娘さんを見つめながら言った。
「Светлана」
スヴェトラーナ。それが、娘さんの名前らしい。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
