狙撃手の悪夢 3 ページ48
「こいつ、尾形を探しているみたいなんだ」
杉元さんの話によれば、この異人はおそらく、尾形上等兵がアシリパたちと一緒にいるところを見たことがあった。だからアシリパたちと一緒にいると思い、白石さんを撃っておびき出そうとしたようだ。
「なるほど。事情はわかりました」
よく見ると、散らばった紙には、男性が描いたのであろう尾形上等兵の似顔絵が何枚もあった。特徴をよく捉えていて、なかなか上手い。
「…この絵は？蜘蛛ですか？」
「そ、それは俺が描いたやつ！蜘蛛じゃない！」
数枚あった絵のうち、特徴的な絵が描かれているものを一枚とると、杉元さんは焦ったように否定した。そして、唇を尖らせながら「一応、尾形のつもりなんだけど…」と恥ずかしそうに呟いた。
「す、すみません。でも特徴は掴んでいると思います」
「……そう？」
「はい。それに、可愛らしくて良いですね」
「えぇ〜？本当にぃ〜？」
杉元さんが乙女のように頬に手を当て、照れたように笑う。
実際に杉元さんの絵は、まるで子供が書いたかのように拙くて可愛い。それに味があって個性的で、私は好きだ。
「……じゃなかったッ。…うーん、もう一枚描くか」
ハッと我に返ったのか、杉元さんは頭を掻きむしりながら、また別の紙に何かを描き始めた。
「さっきの話の続きだけど…アシリパさんの毒矢が尾形の目を射ったんだ。アシリパさんは射る気はなかったと思うよ。俺は目を抉って助けた。あの子を尾形の死で汚したくないから………」
絵を書きながら、そう男性に話す杉元さんの目はどこか遠くを見つめていた。何かを思い出しているような感じだ。
「アシリパさんを見てると、俺の中にも子供の頃に確かにあったような、きれいな部分がまだ残っているんじゃないかって思えて…救われる」
「……杉元さん……」
アシリパのことを話す杉元さんの顔はとても穏やかだった。彼にとってアシリパは、ただの旅の仲間ではないのだろう。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
