新しい時代の女たち 2 ページ34
「A…といったか。どうしてお前は女なのに軍服を着ているんだ？」
その言葉を聞いて、私は思わず目を丸くした。まさか、アシリパが私に興味を持ってくれるとは思ってもいなかった。
アシリパは私の目を見ながら、じっと私の言葉を待っているようだった。
「…私には、やるべきことがありますから。だから、女であろうと男だろうと関係ない。それに、女だからこそできることだってあるでしょう？」
私はなるべく優しい声で彼女に語りかける。
すると、彼女は少しの間私をじっと見つめていたが、やがてふっと表情を緩めると、口を開いた。
「そうか。ならAは、私と同じ新しい時代の女なんだな」
「……新しい時代の女？」
「あぁ！アシリパは“新しい”“年”という意味だ」
アシリパはそう言うと、誇らしげに胸を張ってみせた。
その様子に、私は少しだけ面食らってしまう。
いつぞやの夢の中の彼女の姿と、目の前の少女の姿が重なったからだ。
「……。……えぇ、そうですね。私達はきっと、新しい時代の女なのかもしれませんね」
新しい時代の女？私とお前が同じ？…笑わせるな。
そんな言葉が喉まで出かかったが、なんとか飲み込んで、笑顔を貼り付ける。
「お前とは気が合いそうだな、A。初めて会ったはずなのに…Aは不思議な感じがする」
「そうでしょうか？私には、よくわかりませんが……」
「きっと私達は、出会うべくして出会ったんだ。ここで出会ったのも、カムイが導いたに違いない」
「……そうかもしれませんね」
微笑む彼女を見ると、心の底に黒い感情が生まれていくのを感じた。
もし、私の父を殺したのは貴方の父だと知ったら、貴方はどんな顔をするのだろう。そして、貴方はそんな私をどう思うのだろう。
「私はもっとAのことが知りたい。もっと話を聞かせてくれないか？」
「ええ。もちろんです。アシリパ」
私がそう言うと、アシリパは嬉しそうに笑う。
そして、今度こそアシリパと共に家へと歩を進める。
その無邪気な笑顔を見ていると、自分が汚れた人間のように感じて、仕方がなかった。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
