新しい時代の女たち ページ33
それからしばらくして、私達は亜港浜辺にあるニヴフ民族の集落にたどり着いた。ひとまずそこで休ませてもらおうということで、私達は快く迎え入れてくれた人の家にお邪魔になっている。
私は尾形上等兵の汗を拭いてあげたり、鯉登少尉たちの包帯を変えたりして過ごしていた。
「どうして尾形はキロランケと組んでいたのか…。この男が少数民族の独立に共感するとは思えないが」
「本当に純粋に金塊が欲しいだけなんだろうか」
谷垣さんと鯉登少尉は、そんなことを話し合っている。確かに、その疑問はもっともだ。いくら大金を積まれたとしても、あの冷酷な狙撃手である尾形上等兵が、わざわざそんなことをするのだろうか。
そう尾形上等兵のことについて考えるが、彼が何を考えているのかなど分かるわけもなく、私は黙々と彼の看病を続けた。
思えば彼は、昔からそうだった。いつも、何にも興味が無さそうで、周りに対して冷めた態度を取ったかと思えば、いつの間にかころりと態度を変えて近づいてくること多かったように思う。
「そうであってほしいね。気兼ねなく殺せる」
きっと杉元さんは、尾形上等兵が目を覚まして、聞きたいことだけきいたら殺すつもりなのだろう。
そう簡単に尾形上等兵が口を割るとは到底思わないけれど、杉元さんなら何としてでも割ろうとするかもしれない。
「…私、そろそろ外にいる子どもたちに声をかけてきます」
私が立ち上がると、杉元さんたちはチラッと私を見てから小さくうなずいてくれた。
外に出て、岩息さんとアシリパの二人と遊んでいる子供たちの輪の中に近づいていく。
「みなさん。そろそろお昼ご飯にしましょう」
「はーい！」
私がそう声をかけると、二人は元気よく返事をして、すぐに家へと戻っていった。それに続いて岩息さんも中に入っていったのを見届けてから、アシリパに向き合う。
「……ほら。アシリパ。貴方も」
「…あぁ」
アシリパは私の呼びかけに答えると、家の方へと身体を向ける。
「なぁ」
しかし、数歩進んだところで立ち止まると、ゆっくりと振り返って私を見た。
私は首を傾げつつ、彼女の次の言葉を待つ。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
