明日のために ページ28
雪の上には血痕が点々と続いていた。
その血痕を辿って、進んでいくと、そこにはキロランケと思しき人物が、鯉登少尉に馬乗りになってナイフのような物を刺そうと取っ組み合いになっているところだった。
ナイフは鯉登少尉の右腕を貫いており、その先端が彼の胸元まで迫っている。
私は咄嵯に持っていた銃剣を構え、キロランケへと発砲した。銃弾は見事に命中し、キロランケは倒れた。
「鯉登少尉殿！！」
「Aッ！？何故ここに……！」
私は急いで鯉登少尉の元へと向かうと、彼は驚いたように私を見たあと、キロランケへとすぐに視線を移した。するとちょうどそこへ、谷垣さんと月島軍曹もやってくる。
「手出し無用。…私が仕留める」
鯉登少尉はそういうと、後ろにあった銃に突き刺さっている軍刀を引き抜くために、近づいていく。
「Aッ！！」
その様子を眺めていると、後ろから谷垣さんの焦ったような叫び声が聞こえた。
なんだろうと思って振り向くと、いつの間にか目の前には手投げ弾が迫ってきていた。
投げたであろう人物…キロランケは口角をあげて、こちらを見ている。
恐らく、最後の悪あがきで投げつけたのだ。
逃げようと思った時にはもう遅かった。
衝撃に備え、体を固くする。
─────…あぁ、私の命もここまでか。
そう思った瞬間、ぐいっと腕を引っ張られて、気づけば、鯉登少尉の腕の中にすっぽりと収まっていた。
直後、爆発音が鯉登少尉の後ろから聞こえてくる。鯉登少尉が手投げ弾を斬って、軌道を逸らしてくれたらしい。
どきどきと心臓が激しく脈打っていて、息ができない。
「大丈夫か？」
耳のすぐそばで聞こえる彼の低い声は、とても心地よかった。
「は、はい」
鯉登少尉は私を離すと、「そうか」と言うと、私を庇うようにして前に立った。
「谷垣、撃て！！」
月島軍曹が谷垣さんへキロランケを撃つよう指示を出す。谷垣さんはすかさず、引き金を引こうと銃を構えたその瞬間、「待って！！」とどこからか甲高い女の子の声が響いた。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
